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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0341A01: がふにてこそあれなといふ事の多くきこゆる。加樣
J16_0341A02: の僻事ゆめゆめもちゐるべからす。いつれの所に
J16_0341A03: か。阿彌陀佛は罪つくれとすすめ給たる。これひと
J16_0341A04: へに我身に惡をもととめえす。罪をのみつくりゐた
J16_0341A05: るままに。かかるゆくゑもなき虚言をたくみいだし
J16_0341A06: て。ものもしらぬ男女の輩をすかしほらかし。罪業
J16_0341A07: をすすめ煩惱ををこさしむる事。しかしながらこれ
J16_0341A08: 天魔のたくひなり外道のしわざなり。往生極樂のあ
J16_0341A09: たかたきなりと思へし。又念佛の數を多く申ものを
J16_0341A10: は。自力をはげむといふ事。是またものも覺えず。
J16_0341A11: あさましき僻事なり。たた一念二念をとなふとも。
J16_0341A12: 自力の心ならん人は自力の念佛とすべし。千遍萬遍
J16_0341A13: をとなへ。百日千日よるひるはけみつとむとも。偏
J16_0341A14: に願力をたのみ他力をあふぎたらん人の念佛は聲聲
J16_0341A15: 念念しかしなから他力の念佛にてあるべし。され
J16_0341A16: ば三心ををこしたる人の念佛は。日日夜夜時時尅尅
J16_0341A17: に唱れとも。しかしなから願力を仰き他力をたのみ
J16_0341B18: たる心にて唱居たれは。かけてもふれても。自力の
J16_0341B19: 念佛とはいふべからず。また三心と申事は。その子
J16_0341B20: 細をしりたる人の念佛に三心具足せん事は左右に及
J16_0341B21: ばす。つやつや三心の名をたにもしらぬ無智の輩の
J16_0341B22: 念佛には。いかでか三心具し候へきと申人も候やら
J16_0341B23: ん。これは返返僻事にて候なり。たとひ三心の名を
J16_0341B24: たにもしらぬ無智の者なれとも。彌陀の誓を賴奉
J16_0341B25: て。すこしも疑ふ心なくして。此名號を唱れば。こ
J16_0341B26: の心か即三心具足の心にてあるなり。さればただひ
J16_0341B27: らに信じてだにも念佛すれば。三心はをのづから具
J16_0341B28: するなり。さればこそ。よにあさましき一文不通の
J16_0341B29: 輩の中にも。一すちに念佛する者は。臨終正念にし
J16_0341B30: て目出たき往生をばすれ。これ現證あらたなる事な
J16_0341B31: り。露塵も疑ふべからず。中中よくもしらぬ三心沙
J16_0341B32: 汰して。あしさまに心得たる人人は。臨終も思ふ樣
J16_0341B33: ならぬ事おほし。それにてたれもたれも心得へき也。
J16_0341B34: ●ユクエモナキトハ跡形モ見エヌヲ云ナリ西行家

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