浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0322A01: | れは。よく心えたりとみえしか。相違せざりける。 |
J16_0322A02: | あはれなる事なりとぞ仰られける。 |
J16_0322A03: | 畫圖 |
J16_0322A04: | ●終焉ハ一生ノ終ヲ云焉ハ助語ナリ詩經ノ定之方 |
J16_0322A05: | 中ニ終焉允臧ト新古今ニ題シラス增賀上人イカニ |
J16_0322A06: | セン身ヲ浮舟ノニヲオモミツヰノトマリヤイツク |
J16_0322A07: | 成ラン●史記孔子世家云季桓子卒遺言謂康子云云 |
J16_0322A08: | 沙彌隨蓮住四條萬里小路は。上人配所へおもむき給し時。御 |
J16_0322A09: | とも申て歸依あさからざりき。上人これをあはれみ |
J16_0322A10: | て。念佛往生の道を開示し給に。ふかく信受してふ |
J16_0322A11: | た心なく念佛しけり。上人往生の後。建保二年のこ |
J16_0322A12: | ろ。いかに念佛すとも。學問して三心をしらさらん |
J16_0322A13: | には。往生すべからすと申ものありけれは。隨蓮申 |
J16_0322A14: | さく。故上人は。念佛は樣なきをやうとす。ただひ |
J16_0322A15: | らに佛語を信じて念佛すれは。往生するなりとて。 |
J16_0322A16: | またく三心のことをも仰られざりきと。彼人かさね |
J16_0322A17: | ていはく。一切に心うましきもののために。方便し |
J16_0322B18: | て仰られけるなり。上人御素意のおもむきはとて。 |
J16_0322B19: | 經釋の文なとゆゆしげに申きかせければ。まことに |
J16_0322B20: | さもやあるらんと。いささか疑心をおこすことあり |
J16_0322B21: | けるに。ある夜のゆめに。法勝寺の西門より入て見 |
J16_0322B22: | れば。池のなかにいろいろの蓮花さきみだれたり。 |
J16_0322B23: | 西の廊のかたへあゆみよりて見れば。僧衆あまた列 |
J16_0322B24: | 座して。淨土の法門を談ず。隨蓮きざはしにのぼり |
J16_0322B25: | あがりてみれば。上人北座に南むきに座したまへ |
J16_0322B26: | り。隨蓮見たてまつりてかしこまるに。上人見たま |
J16_0322B27: | ひて。これへまいれとめしければ。まぢかくまいり |
J16_0322B28: | ぬ。隨蓮いまだことばをいださざるに。上人の給は |
J16_0322B29: | く。汝がこのほど心になげきおもふこと。ゆめゆめ |
J16_0322B30: | わづらふべからずと。隨蓮この事すべて。人にも申 |
J16_0322B31: | さず。なにとしてしろしめしたるにかと思ひなか |
J16_0322B32: | ら。上件のやうをくはしく申に。上人仰られていは |
J16_0322B33: | く。たとへはひがことをいふもの有て。あの池の蓮 |
J16_0322B34: | 華を。蓮華にはあらず梅そ櫻そと。いはば信ずへし |