浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0319A01: | フカヒナキハ言ニ足ヌト云意ナリ夕霧ニイフカヒ |
J16_0319A02: | ナクワカワカシキヤウニナトアリ●サリケナキヤ |
J16_0319A03: | ウトハサアリト見ユル氣色ナキヤウニナリ若菜上 |
J16_0319A04: | ニサラヌカホニモテナシタレトナトアリ●カマヘ |
J16_0319A05: | テトハ巧搆テナリ結搆ノ義用心ト同意ナリ●人マ |
J16_0319A06: | タクトハ人全ノ字ナリ |
J16_0319A07: | 敎阿彌陀佛申さく。决定往生の法門こそ心得候ぬ |
J16_0319A08: | れ。すてにさとりきはめ侍り。この仰をうけ給はら |
J16_0319A09: | ざらましかは。このたひの往生はあぶなく候はま |
J16_0319A10: | し。但この仰のごとくにては。人の前にて念珠をく |
J16_0319A11: | り。口をはたらかす事は。あるましく候やらんと。 |
J16_0319A12: | ●サトリハ解ノ字領解シテ只疑ノ晴タル分齊ナリ |
J16_0319A13: | 安心定マリタルヲ云ナリ●ウケ給ハラサラマシカ |
J16_0319A14: | バトハウケ給ハラズンバトナリ●ハタラカスハ動 |
J16_0319A15: | ノ字ナリ |
J16_0319A16: | 上人の給はく。それ又僻韻なり。念佛の本意は常念 |
J16_0319A17: | を詮とす。されは念念相續せよとこそすすめられた |
J16_0319B18: | れ。たとへは世間の人を見るに。おなし人なれとも |
J16_0319B19: | 豪憶あひわかれて。憶病の者になりぬれは。身のた |
J16_0319B20: | めくるしかるまじき。聊のいかりをもをぢをそれて |
J16_0319B21: | 迯かくる。豪の者になりぬれは。命をうしなふべき |
J16_0319B22: | こはき敵の。しかも迯かくれなはたすかるべきなれ |
J16_0319B23: | とも。すこしもをそれず。ひとしざりもせざるがこと |
J16_0319B24: | し。これがやうに。眞僞の二類あり。地躰いつはり |
J16_0319B25: | 性にして。かざる心あるものは。身のために要なき。 |
J16_0319B26: | 聊の事をもかならずいつはりかざるなり。もとより |
J16_0319B27: | まことの心ありて虚言せぬものは。聊の矯餝して |
J16_0319B28: | は。身のためおほきにその益あるへき事なれども。 |
J16_0319B29: | 身の利養をはかへりみず。底にまことありてすこし |
J16_0319B30: | もかざる心なし。これみな本性にうけてむまれたる |
J16_0319B31: | ところなり。そのまことの心のものの。往生せんと |
J16_0319B32: | おもひて念佛に歸したらんは。いか成所いか成人の |
J16_0319B33: | まへにて申とも。すこしもかざる心あるまじけれ |
J16_0319B34: | ば。これ眞實心の念佛にして。决定往生すべきなり。 |