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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0318A01: 往生の念佛よ。虚假とて。かざる心にて申念佛が往
J16_0318A02: 生はせぬなり。决定往生せんとおもはば。かざる心
J16_0318A03: なくして。まことの心にて申へし。いふかひなきお
J16_0318A04: さなきもの。もしは畜生などにむかひては。かざる
J16_0318A05: 心はなけれども。朋同行はいふにをよばす。その外
J16_0318A06: つねになれ見る。妻子眷屬なれども。東西を辨ふる
J16_0318A07: 程の者になりぬれは。それがために。かならずかざ
J16_0318A08: る心はおこるなり。人の中にすまんには。その心な
J16_0318A09: き凡夫はあるべからす。すべて親きも疎も貴も賤
J16_0318A10: も。人にすぎたる往生のあたはなし。それかために
J16_0318A11: かざる心をおこして。順次の往生をとげさればな
J16_0318A12: り。さりとて獨居もかなはず。いかがして人目をか
J16_0318A13: ざる心なくして。まことの心にて念佛すべきといふ
J16_0318A14: に。つねに人にまじりて。しづまる心もなく。かざ
J16_0318A15: る心もあらんものは。夜さしふけて。見る人もなく。
J16_0318A16: 聞人もなからん時。しのびやかに起居て。百遍にて
J16_0318A17: も千遍にても。多少こころにまかせて申さん念佛の
J16_0318B18: みぞ。かざる心もなければ。佛意に相應して。决定
J16_0318B19: 往生はとぐべき。この心を得なば。かならずしも夜
J16_0318B20: にはかきるべからず。朝にても晝にても暮にても。
J16_0318B21: 人のききはばかりなからん所にて。つねにかくのご
J16_0318B22: とく申へし。所詮决定往生をねがふ。まことの念佛
J16_0318B23: 申さんするかざらぬ心ねは。たとへは盜人ありて。
J16_0318B24: 人の財を思かけてぬすまんとおもふ心は底にふかけ
J16_0318B25: れとも。面はさりげなき樣にもてなして。かまへて
J16_0318B26: あやしげなる色を。人に見えじとおもはんがごと
J16_0318B27: し。そのぬすみ心は人またくしらねば。すこしもか
J16_0318B28: ざらぬ心なり。决定往生せんとする心も又かくのこ
J16_0318B29: とし。人おほくあつまり居たらん中にても。念佛申
J16_0318B30: いろを人に見せすして。心にわするまじきなり。其
J16_0318B31: 時の念佛は。佛よりほかはたれかこれをしるべき。
J16_0318B32: 佛しらせ給はは。往生なんぞ疑はんと仰られければ。
J16_0318B33: ●故實ハ史記ノ周世家ニ見ユ韋昭カ注ニ故事是者
J16_0318B34: 也ト此字國語ニ出タリ文選ナトニ又往往ナリ●イ

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