浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0317A01: | つねに上人の御もとに參して敎訓をかうふりける |
J16_0317A02: | が。或時夜半はかりに。上人おきゐたまひて。ひそ |
J16_0317A03: | かに念佛し給かとおぼしき事ありけり。敎阿彌陀佛 |
J16_0317A04: | うちしわぶきたりければ。上人やがてふし給ぬ。ね |
J16_0317A05: | いり給へるさまにてその夜もあけにけり。敎阿彌陀 |
J16_0317A06: | 佛。心のうちにいと心えぬわざかなとおもひけれど |
J16_0317A07: | も。たづね申におよばてやみにけり。 |
J16_0317A08: | ●シハフキハ咳嗽ノ二字共ニシハブキトヨメリ河 |
J16_0317A09: | 間曰無痰有聲謂之咳無聲有痰謂之嗽字彚 |
J16_0317A10: | 程へてのち又參たるに。上人は持佛堂におはしませ |
J16_0317A11: | は。敎阿彌陀佛はおほゆかに候して申けるは。無縁 |
J16_0317A12: | のものにて在京かなひがたく侍れば。相模國河村と |
J16_0317A13: | 申ところに。あひしりたるものの侍をたのみてまか |
J16_0317A14: | りくだり侍り。としたけ侍ぬれば。又見參に入らん |
J16_0317A15: | こともかたく候。もとより無智の者にて侍れは。甚 |
J16_0317A16: | 深の法門をうけ給候とても。その甲斐あるべしとも |
J16_0317A17: | 覺侍らず。ただ詮をとりて。决定往生仕ぬへき御一言 |
J16_0317B18: | をうけ給はりて。生涯の御かたみにそなへ侍らんと |
J16_0317B19: | ●河村ハ相模國足柄郡也此郡上下ニ分レリ此村ハ足上郡ナリ小田原ヨリ行程二里ハカリ北ナリ小田原ノ方ハ足下郡ト云 |
J16_0317B20: | ●オホユカハ大床ナリ縁ニ伺候シテナリ第四卷ニ |
J16_0317B21: | 見ユ●涯ハ水際也字彚一生ノカギリ是マテト云分量 |
J16_0317B22: | ヲ生涯トイヘリ |
J16_0317B23: | 上人の給はく。まつ念佛には甚深の義といふことな |
J16_0317B24: | し。念佛申ものは。かならず往生すとしるばかり也。 |
J16_0317B25: | いかなる智者學生なりとも。宗にあかさざらん義を |
J16_0317B26: | は。いかでかつくりいだしていふべき。ゆめゆめ甚 |
J16_0317B27: | 深の義あるらんと。ゆかしく思はるべからず。念佛 |
J16_0317B28: | はやすき行なれば申人はおほけれとも。往生するも |
J16_0317B29: | ののすくなきは。决定往生の故實をしらぬゆへな |
J16_0317B30: | り。去月に又人もなくて。御房と源空とただ二人あ |
J16_0317B31: | りしに。夜半ばかりに。しのびやかに起居て念佛せ |
J16_0317B32: | しをは。御房はきかれけるかと仰らるれは。寢耳に |
J16_0317B33: | さやらんと承候きと申けれは。それこそやがて决定 |