浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J16_0313A01: | 聲もなむ阿彌陀佛と申せは。我身はたとひいかにつ |
| J16_0313A02: | みふかくとも。佛の願力によりて一定往生するぞと |
| J16_0313A03: | おぼしめして。よくよく一すぢに念佛の候べきな |
| J16_0313A04: | り。我等が往生は。ゆめゆめ我身のよきあしきによ |
| J16_0313A05: | り候まじ。ひとへに佛の御力ばかりにて候べきな |
| J16_0313A06: | り。我力にては。いかにめでたくたうとき人と申と |
| J16_0313A07: | も。末法のこのころ。ただちに淨土にむまるるほど |
| J16_0313A08: | の事はありかたく候べき。又佛の御ちからにて候は |
| J16_0313A09: | んには。いかに罪ふかくをろかにつたなき身なりと |
| J16_0313A10: | も。それにはより候まじ。ただ佛の願力を。信じ信 |
| J16_0313A11: | ぜぬにこそより候へき。乃至さて往生はせさせおはし |
| J16_0313A12: | ますまじきやうにのみ。申きかする人人の候らんこ |
| J16_0313A13: | そ。返返あさましく心ぐるしく候へ。いかなる智者 |
| J16_0313A14: | めでたき人。おほせらるるとも。それになおどろか |
| J16_0313A15: | せおはしまし候そ。をのをののみちにはめでたくた |
| J16_0313A16: | うとき人なりとも。さとりあらず行ことなる人の申 |
| J16_0313A17: | 候事は。往生淨土のためには。中中ゆゆしき退縁惡 |
| J16_0313B18: | 智識とも。申候ぬべき事ともにて候。ただ凡夫のは |
| J16_0313B19: | からひをば。ききいれさせおはしまさで。一すぢに |
| J16_0313B20: | 佛の御ちかひをたのみまいらせさせおはしますべく |
| J16_0313B21: | 候。さとりことなる人の。往生をいひさまたけんに |
| J16_0313B22: | よりて。一念もうたがふ心あるべからずといふこと |
| J16_0313B23: | はりは。善導和尚のよくよくこまかに仰られたる事 |
| J16_0313B24: | にて候なり。乃至中中あらぬすぢなる人はあしく候な |
| J16_0313B25: | ん。ただいかならん人にても。尼女房なりとも。つ |
| J16_0313B26: | ねに御まへに候はん人に念佛申させてきかせおはし |
| J16_0313B27: | まして。御心ひとつをつよくおぼしめして。一向に |
| J16_0313B28: | 凡夫の善知識を思食すてて。佛を善知識にたのみま |
| J16_0313B29: | いらせさせ給へく候。乃至かやうに念佛を。かきこも |
| J16_0313B30: | りて申候はんなど思候も。ひとへに我身ひとつのた |
| J16_0313B31: | めとのみは。もとより思候はず。おりしもこの御事 |
| J16_0313B32: | をかくうけ給候ぬれば。いまよりは一念ものこさ |
| J16_0313B33: | ず。ことごとくその往生の御たすけになさんと。廻 |
| J16_0313B34: | 向しまいらせ候はんずれば。かまへてかまへておほしめ |