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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0297A01: 次に難易の義といふは。念佛は修しやすく。諸行は
J16_0297A02: 修しがたし。略抄かるが故にしりぬ。念佛はやすきが
J16_0297A03: ゆへに一切に通ず。諸行はかたきがゆへに諸機に通
J16_0297A04: せず。然則一切衆生をして。平等に往生せしめんが
J16_0297A05: ために。難をすてて易をとりて本願とする歟。若し
J16_0297A06: それ造像起塔をもて本願とせば。貧窮困乏のたぐひ
J16_0297A07: はさだめて往生ののぞみをたたん。しかるを富貴の
J16_0297A08: ものはすくなく。貧賤のものははなはだ多し。もし
J16_0297A09: 智惠高才をもて本願とせば。愚鈍下智のものは定め
J16_0297A10: て往生の望をたたん。しかるに智惠のものはすくな
J16_0297A11: く。愚痴のものははなはだおほし。多聞多見をもて
J16_0297A12: 本願とせば。少聞少見の輩はさだめて往生の望をた
J16_0297A13: たん。しかるを多聞のものはすくなく。少聞のもの
J16_0297A14: ははなはだおほし。若し持戒持律をもて本願とせ
J16_0297A15: は。破戒無戒の人はさだめて往生ののぞみをたたん。
J16_0297A16: しかるを持戒のものはすくなく。破戒のものは甚多
J16_0297A17: し。自餘の諸行これに准じてしるべし。まさにしる
J16_0297B18: べし。上の諸行等をもて本願とせば。往生をうるも
J16_0297B19: のはすくなく。往生せざるものはおほからん。然則
J16_0297B20: 彌陀如來法藏比丘のむかし平等の慈悲にもよほされ
J16_0297B21: て。あまねく一切を攝せんがために。造像起塔等の
J16_0297B22: 諸行をもて往生の本願とせず。ただ稱名念佛の一行
J16_0297B23: をもてその本願とするなり。乃至問曰。一切の菩薩そ
J16_0297B24: の願をたつといへども。あるひはすでに成就せるも
J16_0297B25: あり。又いまた成就せざるもあり。いぶかし法藏菩
J16_0297B26: 薩の四十八願は。すでに成就せりとやせん。はたい
J16_0297B27: まだ成就せずとやせん。答曰。法藏の誓願は一一に
J16_0297B28: 成就し給へり。いかんとなれは。極樂界の中にすで
J16_0297B29: に三惡趣なし。まさにしるべしこれすなはち無三惡
J16_0297B30: 趣の願を成就し給へるなり。なにをもてかしること
J16_0297B31: をうるとならば。すなはち願成就の文に。又地獄餓
J16_0297B32: 鬼畜生諸難の趣なしといへるこれなり。又彼國の人
J16_0297B33: 天。命をはりてのち三惡趣にかへることなし。まさ
J16_0297B34: にしるべしこれすなはち不更惡趣の願を成就せるな

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