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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0292A01: なき專修の行者になりにけれは 本國にかへりて
J16_0292A02: は。自行化他のつとめ。念佛の外他事なかりけり。
J16_0292A03: 其後は安居院の墓詣となづけて。毎年に上洛して。
J16_0292A04: かの墳墓にぞまうでける。一期のあひだ念佛をこた
J16_0292A05: る事なくして。瑞相をあらはし。端坐合掌して。數
J16_0292A06: 百遍の念佛をとなへ。殊勝の往生を遂にけり。子息
J16_0292A07: 明心幼稚の程は。明圓か後家の尼。年ごとに安居院
J16_0292A08: の墓詣をしけるが。明心成人の後は。年ごとに明心
J16_0292A09: 上洛しけり。明心又兼日に往生の時日をさして。い
J16_0292A10: すにのぼりて念佛數百遍をとなへ。端坐合掌して往
J16_0292A11: 生の素懷を遂にければ。其後は明心が子息明觀。毎
J16_0292A12: 年上洛して墓詣をぞしける。この念佛衆は聖覺の舊
J16_0292A13: 跡を。念佛の本所と仰崇しけるによりて。或年明觀
J16_0292A14: 上洛の時。憲實法印の嫡弟憲基法印にのぞみ申樣。
J16_0292A15: この念佛盡未來際退轉すべからざるよし僧衆の中に
J16_0292A16: 御下知を下さるべきよし申けるによりて。彌陀本願
J16_0292A17: の念佛は。濁世末代の出離解脱の要法なるいはれ。
J16_0292B18: 盡未來際退轉すへからさるよし。慇懃に書下されけ
J16_0292B19: れば。御下知の旨にまかせて。ひとへに本願をあふ
J16_0292B20: ぎ。念佛退轉あるまじきよし。僧衆等請文をささけ
J16_0292B21: 念佛いよいよねんごろなりければ。國中の貴賤歸敬
J16_0292B22: の掌をあはせ。結縁のおもひふかし。天竺震旦我朝
J16_0292B23: 三國のあひだに。多くの人師念佛の勸化をいたすと
J16_0292B24: いへども。いまだ夢の中の勸化をきかず。この法印
J16_0292B25: の勸化。まことにめづらしく貴くも侍かな。
J16_0292B26: ●憲實ハ聖覺法印孫弟隆承法印ノ眞弟也法印權大僧都トナル
J16_0292B27: 畫圖
J16_0292B28: ●憲實ハ隆承ノ子ナレハ聖覺ノ孫弟ト云ベキニ嫡
J16_0292B29: 弟トアルハ祖父聖覺ノ弟子トシテ唱導ノ家業ヲバ
J16_0292B30: 此人嗣レケルニヤシカモ其子細知ガタシ若ハ隆承
J16_0292B31: 其器嫡嗣トスルニ堪ザル歟サレバニヤ憲實憲基ハ
J16_0292B32: 和歌ノ諸集續古今以下ニモ其詠往往ニ載ラレ唱導ノ勤
J16_0292B33: アリシモ諸記增鏡等ノ中ニ少少所見アリ隆承ニヲキ
J16_0292B34: テハイマダ如此ナラズ若竹林房相承次第ニ准セ

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