浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0291A01: | りとて。一期の行狀。往生の次第。こまかにかたり |
J16_0291A02: | 給て。いまこの道塲の念佛に結縁せんがために。常 |
J16_0291A03: | にこの道塲にあるなり。但十一月には本所に法談の |
J16_0291A04: | 事あるによりて。結縁のために必本所にかへるべし。 |
J16_0291A05: | 法談以後は又このところにかへりて。念佛に結縁す |
J16_0291A06: | べきなりとの給へり。夢さめて後。不思議の思をな |
J16_0291A07: | し。聖覺といへる人はいづれの所の人ぞ。我朝の大 |
J16_0291A08: | 導師とは何事ぞとたづぬるに。しりたりといふもの |
J16_0291A09: | なかりければ。明圓鎌倉へのぼりて。日光の別當僧 |
J16_0291A10: | 正の房にいたりて尋申に。 |
J16_0291A11: | ●日光別當僧正ハ鶴岡八幡宮供僧ノ一和尚兼日光山別當眞智隆宣鎭守府將軍秀郷七代孫大方五郞政家之長男也 |
J16_0291A12: | ●府ハ聚也萬物ノ集所ヲイヘリ事物紀原凡一國ニ |
J16_0291A13: | 一所繁昌ノ地ヲエラビテ府ト定メラル山城ノ乙訓 |
J16_0291A14: | 大和ノ十市ナド是ナリ上野ノ國府ハ郡馬トイヘリ |
J16_0291A15: | 拾芥抄鎭西府ト云モ九州繁華ノ處ヲ取レルナリ●遊 |
J16_0291A16: | 行聖ハ廻國シテ靈地順禮ヲ事トスルヲ云ナリ一遍 |
J16_0291B17: | 上人ナド云此類ナリ古ハ聖トイヒ上人ト云ミナ隱 |
J16_0291B18: | 者ノ名ナリキ第三十一卷ニ注シヌ●本所トハ安居 |
J16_0291B19: | 院法印ノ舊房ナリ●日光ノ別當僧正トハ鎌倉鶴岡 |
J16_0291B20: | 八幡宮ノ供僧隆宣ナリ日光ヲ兼帶セラレシトナ |
J16_0291B21: | リ東鑑十七十九ニ見エタリ |
J16_0291B22: | 聖覺法印といへるは。京都の安居院といふ所に侍 |
J16_0291B23: | りき。天下の大導師。名譽の能説なりしかば。しら |
J16_0291B24: | ぬ人はなしと仰られければ。やがて上洛して。安居 |
J16_0291B25: | 院の舊跡をたづね。嫡弟憲實法印に夢の次第をかた |
J16_0291B26: | るに。在世の行狀といひ。往生の次第といひ。一事 |
J16_0291B27: | として違する事なし。就中十一月一日より。天台大 |
J16_0291B28: | 師講を始行して。二十四日まては。毎日の講經終日 |
J16_0291B29: | の論談なり。しかるに十一月には本所に法談あり。 |
J16_0291B30: | 結縁のために必本所に歸べきよし示さるる事。この |
J16_0291B31: | 講演の砌に影向の條疑なしとて。憲實法印感涙をぞ |
J16_0291B32: | ながされける。明圓は聖覺法印の墳墓にまうでで。 |
J16_0291B33: | 夢の中の勸化をよろこび。歡喜の涙をながし。二心 |