浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0279A01: | シヌ●九卷傳ニ百萬返ノ數遍ヲセラレケルカ手ニ |
J16_0279A02: | 念珠ヲマハスハヲソシトテ木ヲモチテ念珠ヲフリ |
J16_0279A03: | マハシテ數ヲトラレケレハ明遍ノブリブリ百萬返 |
J16_0279A04: | トソ人申シケルトアリ |
J16_0279A05: | 僧都ひとへに上人の勸化を仰信し。ふた心なかりけ |
J16_0279A06: | れば。上人の滅後には。かの遺骨を一期のあひだ頸 |
J16_0279A07: | にかけて。のちには高野の大將法印貞曉鎌倉右幕下息相傳せら |
J16_0279A08: | れけり。籠山三十年のあひた。朝には自誓戒舍利講。 |
J16_0279A09: | 夕には臨終の行儀を修し。惣じて六時の同音念佛。 |
J16_0279A10: | 日日夜夜にをこたる事なし。他のためには。人のの |
J16_0279A11: | ぞみにしたかひて。顯密の法門を談せられけれと |
J16_0279A12: | も。自行には一向稱名の外他事をまじへず。長齋持 |
J16_0279A13: | 戒にして。草庵をいづることなし。練行としふりて。 |
J16_0279A14: | 薰修日あらたなり。さても穢土の縁つきて。西土の |
J16_0279A15: | 望ちかづきけるにや。貞應三年四月上旬のころよ |
J16_0279A16: | り。いささか風痾にをかされ。寢食例に違しければ。 |
J16_0279A17: | 門弟等をのをの結番して看病をいたし。念佛のこゑ |
J16_0279B18: | やむ時なし。病にしづむといへども。法門の談議日ご |
J16_0279B19: | ろにかはらず。日をふるままに。經論の明文を誦し |
J16_0279B20: | て。念佛いよいよ強盛なり。つゐに六月十六日子尅 |
J16_0279B21: | 頭北面西にして。念佛相續し。禪定に入がごとく。 |
J16_0279B22: | いきたえ給にけり。生年八十三なり。見る人隨喜の |
J16_0279B23: | 感涙をながし。きく人在世の德行をぞしたひける。 |
J16_0279B24: | ●法印貞曉ハ右大將賴朝卿ノ三男母常陸介藤時長女或伊達藏人藤賴宗女也文治二年二月廿五日誕生建久三年六月十六日仁和寺之彌勒寺法眼隆曉之室ニ入テ弟子トナル寬喜三年二月廿二日高野山中谷ニヲイテ入滅ス●貞應三年ハ後堀河院即位三年也改元元仁元年 |
J16_0279B25: | 畫圖 |
J16_0279B26: | ●幕下ハ將軍ノ異稱ナリ右兵衛佐賴朝卿建久元年 |
J16_0279B27: | 軍功ノ賞ニ依テ權大納言ニ任シ兼右大將トナル |
J16_0279B28: | 同三年征夷大將軍トナル故ニ右幕下トイフ●朝ニ |
J16_0279B29: | 自誓トアレハ八齋戒ナルヘシ此戒ハ一日一夜戒ト |
J16_0279B30: | テ根機ニ隨テ十齋六齋或ハ平生若ハ師ニ受若ハ自 |
J16_0279B31: | モ早朝ニ誓テ持スルコトナリモシ盡形壽ト誓シハ |