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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0277A01: 呼テ鳥居トハ云ヘリサレバ釋書忍性傳ニハ衡門ト書ダリ又義楚六帖ナトニモ見エタリ然トモ本邦ノ鳥居トハ其形大ニ異ナリ又舊史ニハ八宿華極華表ノ字ヲトモニトリ井ト訓セリ●大師オハセシ所ハ相傳フ西門ノ西南ニ新別所トテ四間四面ノ一宇アリ此所ニ逗留マシマシテ時時聖靈院ニ詣テ又西海ノ沒日ニ淨土ヲ想送リ給シトナリ今ノ一心寺是也天正ノ比本譽存牟結城弘經寺存把和尚ノ弟子ト云人中興シテ不斷念佛ヲ始テ號坂松山云フ
J16_0277A02: 上人天王寺におはしけるとき。僧都善光寺參詣の事
J16_0277A03: ありけるが。たづね參せられて。まづ使にて案内し
J16_0277A04: 給ふに。上人客殿に出まふけて。これへと仰らる。
J16_0277A05: 僧都さしいりていまだ居なほらぬほどに。このたび
J16_0277A06: いかがして。生死をはなれ候べきと申されければ。
J16_0277A07: 南無阿彌陀佛と唱へて往生をとぐるには。しかずと
J16_0277A08: こそ存候へと仰られければ。僧都申さるるやう。た
J16_0277A09: れもさは見をよひて侍り。ただし念佛のとき心の散
J16_0277A10: 亂し。妄念のおこり候をば。いかかし候べきと上人
J16_0277A11: のたまはく。欲界の散地に生をうくるもの。心あに
J16_0277A12: 散亂せざらんや。煩惱具足の凡夫。いかでか妄念を
J16_0277B13: とどむべき。その條は源空もちからをよび候はす。
J16_0277B14: 心はちりみだれ。妄念はきをひおこるといへども。
J16_0277B15: 口に名號をとなへは。彌陀の願力に乘じて。决定往
J16_0277B16: 生すへしと申されければ。これうけ給候はんため
J16_0277B17: に。まいりて候つるなりとて。僧都やがて退出し給
J16_0277B18: にければ。初對面の人。一言も世間の禮儀の詞なく
J16_0277B19: して退出せられぬることよとて。人人たうとびあひ
J16_0277B20: けり。扨上人うちへいり給て。心をしづめ。妄念お
J16_0277B21: こさずして。念佛せんとおもはんは。むまれつきの
J16_0277B22: 目鼻をとりはなちて。念佛せんとおもはんがごとし。
J16_0277B23: あなことごとしとぞ。仰られける。
J16_0277B24: 畫圖
J16_0277B25: ●上人天王寺ニオハシケルトキトハ九卷傳ニハ小
J16_0277B26: 松殿ノ坊ニ參シテトアリ●三惡趣ヲ始メ第六他化
J16_0277B27: 自在天ニ至マテヲミナ欲界ト名ツク婬ト食ト睡眠
J16_0277B28: トノ三欲アレバナリ此中ノ衆生ムマレ付タルクセ
J16_0277B29: ニテ其心常ニサハキテ暫モ靜ナラス適禪定ヲ修

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