浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0271A01: | んごろなり。有智の道心者。ちかくはこの人なり。 |
J16_0271A02: | ●高野ハ弘法大師ノ表云空海少年日好涉覽山水從吉野南行一日更向西去兩日程有平原幽地名曰高野計當紀伊國伊都郡南四面高嶺人跡絶路云云嵯峨天皇弘仁七年草創ナリ●明遍僧都ハ釋書云明遍藤給事通憲之季子也才氣貫諸哥棲高野山疾名緇之官榮●少納言通憲ハ文章博士實兼男也後高階經敏ノ子トナリテ改姓母ハ信濃守源有房之女或下野守有家之女或通宗之女或齊院女房●法印敏覺ハ長門守高階經敏男也補東大寺別當●光明山ハ山城國相樂郡井出ノ東南綺村ノ東ノ山リナ當昔本堂ノ本尊ハ藥師寺中別院都百二十坊アリト云●建久六年ハ後鳥羽院即位十二年也 |
J16_0271A03: | 畫圖 |
J16_0271A04: | ●本寺ハ東大寺也●交衆ハ大衆ノマシハリ也●公 |
J16_0271A05: | 請ハ公家ノ招請也●補任ハ官ノ闕タルニ進メ加フ |
J16_0271A06: | ルヲ云●切ハ迫也急也厭離ノ心深クテ佛道ヲ求ム |
J16_0271A07: | ル思ヒ念比ナリトソ論語子張ニ切問近思ト●高 |
J16_0271A08: | 野山ノ蓮華谷ニ菴室ノ遺跡アリ蓮華三昧院ト號セ |
J16_0271A09: | リ本尊彌陀如來安阿彌ノ作ニテ俗ニ行導阿彌陀ト |
J16_0271B10: | 云是也 |
J16_0271B11: | 僧都上人所造の選擇集を披覽して。この書のおもむ |
J16_0271B12: | き。いささか偏執なるところありけりとおもひて。 |
J16_0271B13: | 寢られたる夜の夢に。天王寺の西門に。病者かずも |
J16_0271B14: | しらずなやみふせるを。一人の聖の鉢にかゆをいれ |
J16_0271B15: | て。匙をもちて病人の口ごとにいるるありけり。誰 |
J16_0271B16: | 人にかあらんととふに。かたはらなる人こたへて。 |
J16_0271B17: | 法然上人なりといふと見てさめぬ。僧都おもはく。 |
J16_0271B18: | われ選擇集を偏執の文なりと思つるを。いましめら |
J16_0271B19: | るるゆめなるへし。この上人は。機をしり時をしり |
J16_0271B20: | たる聖にておはしけり。病人の樣は。はじめには。 |
J16_0271B21: | 柑子橘梨子柿などのたぐひを食すれども。のちには。 |
J16_0271B22: | それもとどまりぬれば。わづかにおもゆをもちて。 |
J16_0271B23: | のどをうるほすばかりに。命をささへたり。かくこ |
J16_0271B24: | の書に一向に念佛をすすめられたる。これにたがは |
J16_0271B25: | ず。五濁濫漫の世には。佛法の利益次第に减ず。こ |
J16_0271B26: | のごろはあまりに代くだりて。我等がありさま。た |