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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0303A01: 哉。决定三塗に沉むべき。皆や此方が。此御遺言に
J09_0303A02: 順ふ計で。やすやすと三塗を離れ。直に聖位にのぼ
J09_0303A03: ること。實に本迹符節を合せたる御利益。ありがたき
J09_0303A04: 限にこそ。
J09_0303A05: 從來談ずる御遺誓は。決定墮獄の我人を。打て替つ
J09_0303A06: て報身報土へ。往生遂しめ給ふ。御敎示なれば。た
J09_0303A07: とひ難修難行なりとも。修行すべきことなるに。此御
J09_0303A08: 遺訓には隨ひ易く。安心は立て易く。起行は修し易
J09_0303A09: く往生は至て遂げ易すければ。此勝易の二義を兼備
J09_0303A10: ふる御遺訓に歸入せずんば。何れの敎に歸入せんや。
J09_0303A11: 云何が安心は立て易き。惡趣に墮して。苦しむはい
J09_0303A12: や。樂みずくめの。極樂に。往生遂たひと。思ふ心
J09_0303A13: さへあれば。助け給への安心は。至て立て易きな
J09_0303A14: り。云何が起行は修し易き。行住座臥の。四威儀
J09_0303A15: をえらばず。身の淨不淨。心の亂不亂を云はず。
J09_0303A16: 唯口に唱ふる名號なれば。至て唱へ易きなり。云
J09_0303A17: 何が往生し易き。我力でする往生ならば。覺束な
J09_0303B18: 氣もあらんなれども。佛の大悲本願の他力で遂
J09_0303B19: る往生なれば。少しの苦勞もあることなく。至て往
J09_0303B20: 生遂げ易きなり。爾れば。安心は立て易く起行は修
J09_0303B21: し易く。往生は遂げ易く。實にやすらかなることの最
J09_0303B22: 上。是より易きはあるべからず。されども。斯くや
J09_0303B23: すらかに。仕あげ給ふ迄の。元祖大師の御苦勞は。
J09_0303B24: いか計とか知るや。抑大師九つの御年より。四十三
J09_0303B25: 歳に至らせ給ふ迄に。此法門を見立て給ふ。御苦勞
J09_0303B26: は云もさらなり。別開御弘通の御艱難は。述べ盡さ
J09_0303B27: るる限りに非ず今其恩分を思ひ知る爲に。御流刑。
J09_0303B28: 及び御入滅の。御傳文の大意を。撮て辨示すべし。
J09_0303B29: 餘は凖へて知るべし。大師御開創の。淨土專修の敎
J09_0303B30: 勸盛んにして。人多く生死を出離し。極樂往生を遂
J09_0303B31: るが故に。天魔竸ひ來て。住蓮安樂は。死刑に行は
J09_0303B32: れ。南都北嶺の憤り猶止まず。追追讒訴に及び。弟
J09_0303B33: 子の科を師匠の大師に課せて。すでに度縁を召上げ。
J09_0303B34: 遠流の科に定め。土佐の國へ趣き給ふ。大師の敎化

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