浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0283A01: | 二者深心とは。願文の信樂疏云言深心者即是深信之心也 |
J09_0283A02: | とあて。深く信じて疑はぬを云是に二つの信あり。 |
J09_0283A03: | 機法二種の信と云なり。初に機を信ずるとは。自身 |
J09_0283A04: | は出離無縁の。大罪人なることを信して。自力の心を |
J09_0283A05: | 離るるを云ひ。次に法を信ずるとは。阿彌陀佛の。 |
J09_0283A06: | 大慈大悲。かかる極惡最下の衆生を。目的とする本 |
J09_0283A07: | 願を成就し玉へば。申せば必本願に引立られて。往 |
J09_0283A08: | 生するぞと。ひしと信して疑はぬを。深心と云なり。 |
J09_0283A09: | 傳通記曰疑心易起信心難成謂別行人多破往生爲 |
J09_0283A10: | 之疑怯心起便從輪迴是大失故別置深言誡 |
J09_0283A11: | 其狐疑立眞實信以除猶豫不定心。已上三者回向發 |
J09_0283A12: | 願心とは。願文の欲生我國念佛はもとより。過去よりして今 |
J09_0283A13: | 生になしたる。一切の善根を。悉く極樂往生の爲に。 |
J09_0283A14: | 回向するなり。昔は何の爲にも思へ。今は取り返し |
J09_0283A15: | て。往生の爲と回向すべし。 |
J09_0283A16: | 伹し念佛の行者となりて後。殊更に雜行を修し加 |
J09_0283A17: | へて回向せよと云ことにてはなし。縁に歷れてなす |
J09_0283B18: | と。昔なしたるを回向するなり云云。 |
J09_0283B19: | 是に依て見よ。祈念祈禱の。餘事回願も。不回向と |
J09_0283B20: | 立る邪義の勸めも。佛願佛意に背くこと。何の爭ひか |
J09_0283B21: | あらん。ゆめゆめ彼等に誑かされず。唯往生極樂と |
J09_0283B22: | ふりむけて。佛願佛意に相應し。順次往生掌をさす。 |
J09_0283B23: | 身の上となるべし。斯三心を習ひ學べば。虚假疑心 |
J09_0283B24: | 不回向の。三種の病を退治する故。正信の行者となる |
J09_0283B25: | なり。病ひあらば何ぞ藥を用ひざらん。さるに依て。 |
J09_0283B26: | 舜昌法印の。もし日頃は疑ひの心もありて。三心具 |
J09_0283B27: | せぬ人も。聖敎を學すれは。道理にをれて。三心の |
J09_0283B28: | おこる事もあれは。さやうならん人の爲には。三心 |
J09_0283B29: | のやうをしらんも。大切なるべし。一向にこれを非 |
J09_0283B30: | せば。又其とがあるべしと。盡理の釋文仰くべし。 |
J09_0283B31: | 爾れは。病ある人は。つとめて聽て。正信を立つべ |
J09_0283B32: | し。さて正信立て。念佛するやうになれば。又前の橫 |
J09_0283B33: | 具の機と異なることなく。助け玉へと本願にもたれ。唱 |
J09_0283B34: | るより外はなし。此こと譬へば。陳を張り備へを立る |