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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0283A01: 二者深心とは。願文の信樂疏云言深心者即是深信之心也
J09_0283A02: とあて。深く信じて疑はぬを云是に二つの信あり。
J09_0283A03: 機法二種の信と云なり。初に機を信ずるとは。自身
J09_0283A04: は出離無縁の。大罪人なることを信して。自力の心を
J09_0283A05: 離るるを云ひ。次に法を信ずるとは。阿彌陀佛の。
J09_0283A06: 大慈大悲。かかる極惡最下の衆生を。目的とする本
J09_0283A07: 願を成就し玉へば。申せば必本願に引立られて。往
J09_0283A08: 生するぞと。ひしと信して疑はぬを。深心と云なり。
J09_0283A09: 傳通記曰疑心易起信心難成謂別行人多破往生爲
J09_0283A10: 之疑怯心起便從輪迴是大失故別置深言誡
J09_0283A11: 其狐疑立眞實信以除猶豫不定心。已上三者回向發
J09_0283A12: 願心とは。願文の欲生我國念佛はもとより。過去よりして今
J09_0283A13: 生になしたる。一切の善根を。悉く極樂往生の爲に。
J09_0283A14: 回向するなり。昔は何の爲にも思へ。今は取り返し
J09_0283A15: て。往生の爲と回向すべし。
J09_0283A16: 伹し念佛の行者となりて後。殊更に雜行を修し加
J09_0283A17: へて回向せよと云ことにてはなし。縁に歷れてなす
J09_0283B18: と。昔なしたるを回向するなり云云
J09_0283B19: 是に依て見よ。祈念祈禱の。餘事回願も。不回向と
J09_0283B20: 立る邪義の勸めも。佛願佛意に背くこと。何の爭ひか
J09_0283B21: あらん。ゆめゆめ彼等に誑かされず。唯往生極樂と
J09_0283B22: ふりむけて。佛願佛意に相應し。順次往生掌をさす。
J09_0283B23: 身の上となるべし。斯三心を習ひ學べば。虚假疑心
J09_0283B24: 不回向の。三種の病を退治する故。正信の行者となる
J09_0283B25: なり。病ひあらば何ぞ藥を用ひざらん。さるに依て。
J09_0283B26: 舜昌法印の。もし日頃は疑ひの心もありて。三心具
J09_0283B27: せぬ人も。聖敎を學すれは。道理にをれて。三心の
J09_0283B28: おこる事もあれは。さやうならん人の爲には。三心
J09_0283B29: のやうをしらんも。大切なるべし。一向にこれを非
J09_0283B30: せば。又其とがあるべしと。盡理の釋文仰くべし。
J09_0283B31: 爾れは。病ある人は。つとめて聽て。正信を立つべ
J09_0283B32: し。さて正信立て。念佛するやうになれば。又前の橫
J09_0283B33: 具の機と異なることなく。助け玉へと本願にもたれ。唱
J09_0283B34: るより外はなし。此こと譬へば。陳を張り備へを立る

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