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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0282A01: 已後いかやうに。三心をむつかしげに。云を聞くと
J09_0282A02: も。唯往生の爲に申す内には。三心も四修も皆籠ると
J09_0282A03: 云を决信して。驚動せられまじき也已上大師三心を
J09_0282A04: 沙汰し給はぬは。無智無病の機は。往生决定と。信じ
J09_0282A05: て唱ふる内に。三心四修。皆籠ると云義を辨じ畢。
J09_0282A06: 是より亦因に。大師有病退治の爲に。三心の樣を。
J09_0282A07: 委く沙汰し玉ふ義を辨ぜは。大經の願文には。至心
J09_0282A08: 信樂。欲生我國と。八字を以。往生の安心を指示し
J09_0282A09: 玉ひ。觀經には。一者至誠心。二者深心。三者回向
J09_0282A10: 發願心と。十六字に開して示し猶具三心者。必生彼
J09_0282A11: 國と説き給ひ。善導大師は。若少一心。即不得生と
J09_0282A12: 判じ玉ひ。大師も亦。淨土宗の大事は三心の法門に
J09_0282A13: あるなり等。との玉へり。選擇集漢和語燈錄等是何故なれば。
J09_0282A14: 易き往生に我からくせをつけて。往生を仕損ずる人
J09_0282A15: 多ければ。其に退治を示して。往生の機とし玉はん
J09_0282A16: 爲なり。譬ば道しるべ石を立てて。脇道へやらず。
J09_0282A17: 埒を結ふて。馬をそれさせぬ等の如し。其わるぐせ
J09_0282B18: の病とは。虚假。疑心。不回向の三病なり。是を退
J09_0282B19: 治する爲の三心なり。其三心とは。一者至誠心とは
J09_0282B20: 願文の至心疏曰至者眞誠者實又云不得外現賢善精進之
J09_0282B21: 相内懐虚假已上虚假とは。極樂のねがはしくもなく
J09_0282B22: 往生仕たくもなけれども。極樂を願ふよしを顯はし。
J09_0282B23: 往生の仕度樣に。見せかくるを。虚假と云なり。斯
J09_0282B24: く僞り飾るは。何故なれば。名聞利養の二より發る。
J09_0282B25: 在家は。多く名聞にして。利養は少し。出家は利養を本として。名聞を兼云云。古歌に。『西へ行岸の
J09_0282B26: 岩かと踏みれは苔こそ道のさはりなりけり。』顯はに
J09_0282B27: 見ゆる。石岩などにては。あやまちせねども。苔の
J09_0282B28: むしたるには。。すべりてあやまつこと多き如く。地體
J09_0282B29: 煩惱具足の凡夫なれば。わろしとわびて念佛すれば
J09_0282B30: 往生の仕損じはなけれとも。三毒五欲の。岩かどを
J09_0282B31: 押かくし。外現賢善の。苔衣きする故。一大事の往
J09_0282B32: 生を。あやまつぞと。誡めたる歌の意なり。是に。
J09_0282B33: 淺深重重の分別あれども。濃くも薄くも。穢土を厭
J09_0282B34: ひ。往生を欣ふ意さへあれば。至誠心を具するなり

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