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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0279A01: 任せたるは深心。申す念佛を。悉く往生の爲と。ふ
J09_0279A02: りむけるは回向心。又四修のこもる義趣を云はば。
J09_0279A03: 申せ助んとあるを。謹んて脇平見ず。つとむるは恭
J09_0279A04: 敬修。餘行を修し交へざるは無餘修。餘行等を以間
J09_0279A05: てず。相續するは無間修。一期退轉せず。唱ふは長
J09_0279A06: 時修見つべし。唯往生の爲に。南無阿彌陀佛と。唱
J09_0279A07: ふる内には。三心四修。皆悉く籠るなり。此事たと
J09_0279A08: へば。旅行するに。家もなく。食物も所持せざれど
J09_0279A09: も。路用金さへ持てば。宿所も食事も。一切萬事。
J09_0279A10: 皆悉く金子にて調ふ如く。唯往生の爲に。申す念佛
J09_0279A11: の中には。三心も四修も。一切諸善萬行の功德も。
J09_0279A12: 皆悉くこもるなり。さて此三心四修等。殘りなく南
J09_0279A13: 無阿彌陀佛と。唱ふる中に籠ると云は。淨土門の一大
J09_0279A14: 事の習ことなれば。大師殊更。二祖國師へ。御相傳あ
J09_0279A15: りし。其文に云。善導の釋を拜見するに。源空が目
J09_0279A16: には。三心も南無阿彌陀佛。四修も南無阿彌陀佛。
J09_0279A17: 五念も南無阿彌陀佛と見ゆるなり。と傳へ玉へり。
J09_0279B18: 其善導の釋とさし玉へるは。禮讃の序に三心四修五
J09_0279B19: 念等を釋し畢て。文殊般若經を引て。口稱一行三昧
J09_0279B20: に。結歸し玉ひての御釋に。若能如上念念相續畢
J09_0279B21: 命爲期者十即十生乃至雜修不至心者千中無一決釋し
J09_0279B22: 玉へる是なり。元祖大師。導師の素意を得玉へる故
J09_0279B23: 源空が目には。との玉ひて。餘師に此處へ御手の屆
J09_0279B24: かぬことを顯し玉へり。導師も又此ことを。甚歡び思し
J09_0279B25: 召せばこそ。幾度か來現證誠し玉へり。此こと譬へば
J09_0279B26: 騏驥一日に千里行く名馬伯樂秦の穆公の臣。名は孫陽。字は伯樂。よく馬を相す。我朝に馬毉に名くるも。もと是に
J09_0279B27: よるなり。を見て。嘶と云がごとし。古來の諸師の。素意を
J09_0279B28: 探り得ずして。願非願の差別もなく。能含所含の分別
J09_0279B29: に暗く。結歸一行三昧の。蘊奧に至らずして。聖淨二
J09_0279B30: 門。混雜の了簡をなし玉ふは。一日に千里行く騏驥に
J09_0279B31: 鹽車のしほ車。ひかせるやうなものなれは。導師の
J09_0279B32: 御意に叶はず。爾るに。元祖大師導師の素意をさと
J09_0279B33: り。大悲本願の。徹底を盡し玉ひたれば。騏驥が伯樂
J09_0279B34: を見て嘶し如く。汝能我道を弘通するとて眞葛原の

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