浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0279A01: | 任せたるは深心。申す念佛を。悉く往生の爲と。ふ |
J09_0279A02: | りむけるは回向心。又四修のこもる義趣を云はば。 |
J09_0279A03: | 申せ助んとあるを。謹んて脇平見ず。つとむるは恭 |
J09_0279A04: | 敬修。餘行を修し交へざるは無餘修。餘行等を以間 |
J09_0279A05: | てず。相續するは無間修。一期退轉せず。唱ふは長 |
J09_0279A06: | 時修見つべし。唯往生の爲に。南無阿彌陀佛と。唱 |
J09_0279A07: | ふる内には。三心四修。皆悉く籠るなり。此事たと |
J09_0279A08: | へば。旅行するに。家もなく。食物も所持せざれど |
J09_0279A09: | も。路用金さへ持てば。宿所も食事も。一切萬事。 |
J09_0279A10: | 皆悉く金子にて調ふ如く。唯往生の爲に。申す念佛 |
J09_0279A11: | の中には。三心も四修も。一切諸善萬行の功德も。 |
J09_0279A12: | 皆悉くこもるなり。さて此三心四修等。殘りなく南 |
J09_0279A13: | 無阿彌陀佛と。唱ふる中に籠ると云は。淨土門の一大 |
J09_0279A14: | 事の習ことなれば。大師殊更。二祖國師へ。御相傳あ |
J09_0279A15: | りし。其文に云。善導の釋を拜見するに。源空が目 |
J09_0279A16: | には。三心も南無阿彌陀佛。四修も南無阿彌陀佛。 |
J09_0279A17: | 五念も南無阿彌陀佛と見ゆるなり。と傳へ玉へり。 |
J09_0279B18: | 其善導の釋とさし玉へるは。禮讃の序に三心四修五 |
J09_0279B19: | 念等を釋し畢て。文殊般若經を引て。口稱一行三昧 |
J09_0279B20: | に。結歸し玉ひての御釋に。若能如上念念相續畢 |
J09_0279B21: | 命爲期者十即十生乃至雜修不至心者千中無一決釋し |
J09_0279B22: | 玉へる是なり。元祖大師。導師の素意を得玉へる故 |
J09_0279B23: | 源空が目には。との玉ひて。餘師に此處へ御手の屆 |
J09_0279B24: | かぬことを顯し玉へり。導師も又此ことを。甚歡び思し |
J09_0279B25: | 召せばこそ。幾度か來現證誠し玉へり。此こと譬へば |
J09_0279B26: | 騏驥一日に千里行く名馬伯樂秦の穆公の臣。名は孫陽。字は伯樂。よく馬を相す。我朝に馬毉に名くるも。もと是に |
J09_0279B27: | よるなり。を見て。嘶と云がごとし。古來の諸師の。素意を |
J09_0279B28: | 探り得ずして。願非願の差別もなく。能含所含の分別 |
J09_0279B29: | に暗く。結歸一行三昧の。蘊奧に至らずして。聖淨二 |
J09_0279B30: | 門。混雜の了簡をなし玉ふは。一日に千里行く騏驥に |
J09_0279B31: | 鹽車のしほ車。ひかせるやうなものなれは。導師の |
J09_0279B32: | 御意に叶はず。爾るに。元祖大師導師の素意をさと |
J09_0279B33: | り。大悲本願の。徹底を盡し玉ひたれば。騏驥が伯樂 |
J09_0279B34: | を見て嘶し如く。汝能我道を弘通するとて眞葛原の |