浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0278A01: | のままにて。念佛する人を。念佛にすけささぬとは |
J09_0278A02: | 云なりと。これすけささぬ姿なり。總て淨土の法門 |
J09_0278A03: | は。偏に大悲本願の。他力に引立られて往生し。機の |
J09_0278A04: | 善惡の沙汰はなし。されば。善人に。惡人になれとも。 |
J09_0278A05: | 惡人に。善人になれとも敎へず。唯善惡男女の其身其 |
J09_0278A06: | 儘。唱だにすれば往生と决著して。必必念佛にすけ |
J09_0278A07: | さすな。別の子細を存ずるなとの。御遺訓なれば。 |
J09_0278A08: | 心腑におさめて。忘るることなかれ。已上本文に五科 |
J09_0278A09: | ある。第二示本願念佛正義の科を畢。 |
J09_0278A10: | 但し三心四修と申事の候は。皆决定して。南無阿 |
J09_0278A11: | 彌陀佛にて往生するぞと。思ふ内にこもり候なり。 |
J09_0278A12: | 此段は。本文に五科ある。第三伏難通なり。伏難通 |
J09_0278A13: | とは。他の難ずべきを。斯云道理故。難とすべきこと |
J09_0278A14: | に非と。先きへ理り通じ置なり。其他の難すべきと |
J09_0278A15: | 云は。左の如く。一向に別の子細なしとは云れまい。 |
J09_0278A16: | 三心四修等の法門は。念佛の行者の。知らずんばあ |
J09_0278A17: | るべからざることなればこそ。觀經には。具三心者。 |
J09_0278B18: | 必生彼國と説き。善導大師は。若少一心。即不得生 |
J09_0278B19: | と判じ。猶御自身も。既に選擇集第八章の題文には。 |
J09_0278B20: | 念佛行者必可具足三心之文と標して。引文問答決 |
J09_0278B21: | 著し玉ひ。又常の御法語にも。淨土宗の大事は。三 |
J09_0278B22: | 心の法門にあるなり等。と示し玉ひ。又往生禮讃に。 |
J09_0278B23: | 四修を釋し玉ふ。選擇集の第九章に。念佛行者可 |
J09_0278B24: | 行用四修法之文と題して。禮讃の文を引用して。 |
J09_0278B25: | 微細に判釋し玉ふに非や。爾らば。何ぞ一向に別の |
J09_0278B26: | 子細なしと云べきや。と云疑難ある故に。此疑を拂 |
J09_0278B27: | ふ爲に。但し三心四修等と。通じ玉ふなり。其意は。 |
J09_0278B28: | 今別の子細なしと云は。其三心四修は。宗門の所用 |
J09_0278B29: | に非と云には非。本願は口稱一行往生の爲と志し |
J09_0278B30: | て。南無阿彌陀佛南無阿彌陀佛と唱へてだに居れば。往生する |
J09_0278B31: | と決定して。申念佛には三心も四修も。皆籠るぞと |
J09_0278B32: | 云の義なり。今更に。三心四修の一一籠る義趣を示 |
J09_0278B33: | さば。念佛の行者。名利の爲にせず。唯往生極樂の |
J09_0278B34: | 爲と思ふは至誠心。申せば必極樂に迎へ玉ふぞと打 |