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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0277A01: 殺害する罪人なれども。專修念佛するときは。元祖
J09_0277A02: 大師の。御遺跡となれば。鎭西國師。勢觀上人に。
J09_0277A03: ひとしめられ奉ること。實に恐れ多き。大果報に非や。
J09_0277A04: 熟思すべし云云。上來の通。唯往生極樂の爲に。南無
J09_0277A05: 阿彌陀佛と申て。疑なく往生するぞと思ひ取て。別
J09_0277A06: の子細さへなければ。往生を遂る。若し別の子細を
J09_0277A07: 付ると。往生を仕損ずる。爾れば。此こと一大事なる
J09_0277A08: ことなれば。委く辨ずべし。先其別の子細の害あること。
J09_0277A09: 當段には。唯別の子細候はずとのみ。仰られたれば。
J09_0277A10: 義は。殘る所なく。含んであれども。其詞穩なれば。
J09_0277A11: 初心の人は。左程の害あることと。知り難ければ。其
J09_0277A12: 害を擧て。示し玉ひたる。御法語を云はば。本願の
J09_0277A13: 念佛には。ひとりだちをせさせて。すけをささぬな
J09_0277A14: り。すけといふは。智慧をもすけにさし。持戒をも
J09_0277A15: すけにさし。道心をもすけにさし。慈悲をもすけに
J09_0277A16: さすなり。今四種のすけを擧て。餘は準知せしめ給
J09_0277A17: ふ。此すけと云と。別の子細と云は。同じことなり。
J09_0277B18: 先智慧は利劒にたとへて。煩惱繫縛の繩を。截斷し
J09_0277B19: て。成佛に至るの功能あれば。我如智慧ありて念佛
J09_0277B20: せば。往生すべし。無智にては念佛すとも。往生な
J09_0277B21: らじと。智慧をすけにさし。又戒は却惡の先陣。三
J09_0277B22: 學の隨一なれば。我如く持戒ならばこそ。無戒破戒
J09_0277B23: にては。念佛すとも往生はならじと。持戒をすけに
J09_0277B24: さし。又道心とは。たまたま本願の忝さに。身の毛
J09_0277B25: もいよだち。涙のこぼるることもあれば。如此にてこ
J09_0277B26: そ往生せめ。たとひ念佛すとも。無道心にては。往
J09_0277B27: 生ならじと。道心をすけにさし。慈悲はもとより。
J09_0277B28: 佛道の基本なれば。わづかに慈悲善根をもなせば。
J09_0277B29: かくてこそ往生すべし。念佛申すとも。無慈悲にて
J09_0277B30: は。往生ならじと。慈悲をすけにさす。是等は皆。
J09_0277B31: 本願念佛に。獨り立をさせず。機のよしあしに滯り
J09_0277B32: て。我から往生を得ざるなり。故に是を誡めて。次
J09_0277B33: に。すけささぬ。正義を示して。善人は善人ながら
J09_0277B34: 念佛し。惡人は惡人ながら念佛して。ただ生れつき

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