浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0277A01: | 殺害する罪人なれども。專修念佛するときは。元祖 |
J09_0277A02: | 大師の。御遺跡となれば。鎭西國師。勢觀上人に。 |
J09_0277A03: | ひとしめられ奉ること。實に恐れ多き。大果報に非や。 |
J09_0277A04: | 熟思すべし云云。上來の通。唯往生極樂の爲に。南無 |
J09_0277A05: | 阿彌陀佛と申て。疑なく往生するぞと思ひ取て。別 |
J09_0277A06: | の子細さへなければ。往生を遂る。若し別の子細を |
J09_0277A07: | 付ると。往生を仕損ずる。爾れば。此こと一大事なる |
J09_0277A08: | ことなれば。委く辨ずべし。先其別の子細の害あること。 |
J09_0277A09: | 當段には。唯別の子細候はずとのみ。仰られたれば。 |
J09_0277A10: | 義は。殘る所なく。含んであれども。其詞穩なれば。 |
J09_0277A11: | 初心の人は。左程の害あることと。知り難ければ。其 |
J09_0277A12: | 害を擧て。示し玉ひたる。御法語を云はば。本願の |
J09_0277A13: | 念佛には。ひとりだちをせさせて。すけをささぬな |
J09_0277A14: | り。すけといふは。智慧をもすけにさし。持戒をも |
J09_0277A15: | すけにさし。道心をもすけにさし。慈悲をもすけに |
J09_0277A16: | さすなり。今四種のすけを擧て。餘は準知せしめ給 |
J09_0277A17: | ふ。此すけと云と。別の子細と云は。同じことなり。 |
J09_0277B18: | 先智慧は利劒にたとへて。煩惱繫縛の繩を。截斷し |
J09_0277B19: | て。成佛に至るの功能あれば。我如智慧ありて念佛 |
J09_0277B20: | せば。往生すべし。無智にては念佛すとも。往生な |
J09_0277B21: | らじと。智慧をすけにさし。又戒は却惡の先陣。三 |
J09_0277B22: | 學の隨一なれば。我如く持戒ならばこそ。無戒破戒 |
J09_0277B23: | にては。念佛すとも往生はならじと。持戒をすけに |
J09_0277B24: | さし。又道心とは。たまたま本願の忝さに。身の毛 |
J09_0277B25: | もいよだち。涙のこぼるることもあれば。如此にてこ |
J09_0277B26: | そ往生せめ。たとひ念佛すとも。無道心にては。往 |
J09_0277B27: | 生ならじと。道心をすけにさし。慈悲はもとより。 |
J09_0277B28: | 佛道の基本なれば。わづかに慈悲善根をもなせば。 |
J09_0277B29: | かくてこそ往生すべし。念佛申すとも。無慈悲にて |
J09_0277B30: | は。往生ならじと。慈悲をすけにさす。是等は皆。 |
J09_0277B31: | 本願念佛に。獨り立をさせず。機のよしあしに滯り |
J09_0277B32: | て。我から往生を得ざるなり。故に是を誡めて。次 |
J09_0277B33: | に。すけささぬ。正義を示して。善人は善人ながら |
J09_0277B34: | 念佛し。惡人は惡人ながら念佛して。ただ生れつき |