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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0276A01: 此二重正雜助正は。觀經の疏。散善義に出たり。已上は。
J09_0276A02: 選擇集。及び御傳。語燈錄等に見ゆ。
J09_0276A03: 其正定業とは。則是此本願念佛なり。本願の念佛を。
J09_0276A04: 正定業と云ことは。阿彌陀佛の因位。法藏菩薩の時。諸
J09_0276A05: 佛國土の。萬善萬行の中に於て。難を捨て易を取。
J09_0276A06: 麤を捨て妙を取。惡を捨てて善を取り。有漏の人天
J09_0276A07: に生ずる。不淸淨の行を選び捨て。唯淨土往生成佛
J09_0276A08: の妙行を選び取。念佛一行を。正しき極樂往生の。
J09_0276A09: 正因正行と定めて。本願に立玉ふ故に。是を唱へて。
J09_0276A10: 往生を願ふ者は。正しく佛の本願に順して。十即十
J09_0276A11: 生。百即百生。萬に一も失せず。决定して往生する
J09_0276A12: が故に。是を正定業とは云なり。此義を導師の釋文
J09_0276A13: を引て。委曲に釋成し玉へるが。選擇集の三章段に
J09_0276A14: て。即ち標目にも。阿彌陀如來。不以餘行爲往
J09_0276A15: 生本願唯以念佛爲往生本願之文。と題し玉ひ
J09_0276A16: て。文中には即今選捨前布施持戒乃至孝養父母等
J09_0276A17: 諸行而唯偏選取念佛一行爲往生本願已上記主决
J09_0276B18: 疑鈔に。是を釋して。定雖凝心理雖深微大心大
J09_0276B19: 行心行雖勝律義孝道雖貴望佛之本願念佛獨秀
J09_0276B20: 已上亦曰唯口稱一行獨順佛願故萬行中唯以念佛
J09_0276B21: 爲正業也云云。選擇集。正雜助正を。廣く分別して。
J09_0276B22: 選捨選取し玉へり。今此文は。詮に就き要を取て。
J09_0276B23: 唯正定業の。稱名を遺訓とし玉へり。されば。選擇
J09_0276B24: と此文は。開合の異にして。たたみし扇は。此文の
J09_0276B25: 如。開きし扇は。選擇集の如し。されば。開く扇の
J09_0276B26: 選擇集には。往生之業念佛爲先と。念佛を以て宗門
J09_0276B27: を開き。たたむ扇の。此一枚起請文には。唯往生極
J09_0276B28: 樂の爲には。一向に念佛すべしと。專修念佛を以。
J09_0276B29: 御遺訓となし給へるものなり。依てまたの御法語に
J09_0276B30: は。念佛の聲する所は。海人漁人が苫屋迄も。予が
J09_0276B31: 遺跡なり。との給へり。されば。念佛の聲する所が。
J09_0276B32: 御遺跡となれば專修念佛せざれば。いかなる玉の床
J09_0276B33: を飾りても。御遺跡には非るなり。既に宿業つたな
J09_0276B34: く。いぶせき苫屋の住居をなし。宿因拙く。物の命を

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