浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0276A01: | 此二重正雜助正は。觀經の疏。散善義に出たり。已上は。 |
J09_0276A02: | 選擇集。及び御傳。語燈錄等に見ゆ。 |
J09_0276A03: | 其正定業とは。則是此本願念佛なり。本願の念佛を。 |
J09_0276A04: | 正定業と云ことは。阿彌陀佛の因位。法藏菩薩の時。諸 |
J09_0276A05: | 佛國土の。萬善萬行の中に於て。難を捨て易を取。 |
J09_0276A06: | 麤を捨て妙を取。惡を捨てて善を取り。有漏の人天 |
J09_0276A07: | に生ずる。不淸淨の行を選び捨て。唯淨土往生成佛 |
J09_0276A08: | の妙行を選び取。念佛一行を。正しき極樂往生の。 |
J09_0276A09: | 正因正行と定めて。本願に立玉ふ故に。是を唱へて。 |
J09_0276A10: | 往生を願ふ者は。正しく佛の本願に順して。十即十 |
J09_0276A11: | 生。百即百生。萬に一も失せず。决定して往生する |
J09_0276A12: | が故に。是を正定業とは云なり。此義を導師の釋文 |
J09_0276A13: | を引て。委曲に釋成し玉へるが。選擇集の三章段に |
J09_0276A14: | て。即ち標目にも。阿彌陀如來。不以餘行爲往 |
J09_0276A15: | 生本願唯以念佛爲往生本願之文。と題し玉ひ |
J09_0276A16: | て。文中には即今選捨前布施持戒乃至孝養父母等 |
J09_0276A17: | 諸行而唯偏選取念佛一行爲往生本願已上記主决 |
J09_0276B18: | 疑鈔に。是を釋して。定雖凝心理雖深微大心大 |
J09_0276B19: | 行心行雖勝律義孝道雖貴望佛之本願念佛獨秀 |
J09_0276B20: | 已上亦曰唯口稱一行獨順佛願故萬行中唯以念佛 |
J09_0276B21: | 爲正業也云云。選擇集。正雜助正を。廣く分別して。 |
J09_0276B22: | 選捨選取し玉へり。今此文は。詮に就き要を取て。 |
J09_0276B23: | 唯正定業の。稱名を遺訓とし玉へり。されば。選擇 |
J09_0276B24: | と此文は。開合の異にして。たたみし扇は。此文の |
J09_0276B25: | 如。開きし扇は。選擇集の如し。されば。開く扇の |
J09_0276B26: | 選擇集には。往生之業念佛爲先と。念佛を以て宗門 |
J09_0276B27: | を開き。たたむ扇の。此一枚起請文には。唯往生極 |
J09_0276B28: | 樂の爲には。一向に念佛すべしと。專修念佛を以。 |
J09_0276B29: | 御遺訓となし給へるものなり。依てまたの御法語に |
J09_0276B30: | は。念佛の聲する所は。海人漁人が苫屋迄も。予が |
J09_0276B31: | 遺跡なり。との給へり。されば。念佛の聲する所が。 |
J09_0276B32: | 御遺跡となれば專修念佛せざれば。いかなる玉の床 |
J09_0276B33: | を飾りても。御遺跡には非るなり。既に宿業つたな |
J09_0276B34: | く。いぶせき苫屋の住居をなし。宿因拙く。物の命を |