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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0265A01: 風大所成の御佛と云に就て。別して貴きは。此界の
J09_0265A02: 衆生は。阿彌陀如來に至て。因縁が深いなり。其故
J09_0265A03: は。諸佛如來に。六根説法と云ことありて。或は目で
J09_0265A04: 見て悟らせ玉ふ。御説法あり。鼻にかぎ。舌に味ひ。
J09_0265A05: 身に觸れ。意に念して。さとらせ玉ふ等の。御説法
J09_0265A06: あるに。阿彌陀如來は。風大所成にして。音聲説法
J09_0265A07: し玉ふ。如來なる故に。此界の衆生に。偏に。因縁
J09_0265A08: が深いなり。云何となれば。此界の衆生は。六根の
J09_0265A09: 内に。耳根が利なる故なり。眼根は紙一重隔れは。
J09_0265A10: 其先きを見ること能はず。鼻根は少し隔れば。香臭を
J09_0265A11: 辨へず。舌根は正く其物に觸れざれは。味ひを知ら
J09_0265A12: ず。身に觸るるときは。却て觸欲を生して。法に遠
J09_0265A13: ざかる。意はさはがしく愚にして。深理に通ずること
J09_0265A14: を得ず。唯耳根のみ利にして。垣壁隔てた先の聲を
J09_0265A15: も聞書ひては分り兼ねる。むつかしひ義理をも。云
J09_0265A16: て聞かせば聞分るなり。爾れば。能化の如來は。音
J09_0265A17: 聲説法を司り玉ふ如來なり。所化の衆生は。耳根利
J09_0265B18: なる此界に生れたれば。聲と耳と對する勝縁と云も
J09_0265B19: のなれば。諸佛の中に。別して阿彌陀如來に。因綠
J09_0265B20: 深きなり。爾れば此勝縁を空く。しやう筈はなひこと
J09_0265B21: なれば。能能此御遺誓の趣きを聞受くべしきことな
J09_0265B22: り。
J09_0265B23: 世間に無筆の者を。明盲と云て。自らも慚ぢ。他
J09_0265B24: もいやしむることなれども。是には。百千萬倍勝れ
J09_0265B25: て。あさましきは聞聾なり。世間のことや。邪法を
J09_0265B26: ば。蟻のささやくやうに云をも。牛の吼る如く聞
J09_0265B27: なせども。正義正法をば。聾ほども聞得取らぬな
J09_0265B28: り。是何故なれば。無常の習を忘れて。常住の僻
J09_0265B29: 見に住するもの故。三惡道を恐るる心もなく。極
J09_0265B30: 樂往生の志もなし。依て適正義を聞ても。片づま
J09_0265B31: つたの。偏屈なのと。信ぜぬのみか。誹謗迄をな
J09_0265B32: し。若申すは自力と云やうなる。邪義を聞ては。
J09_0265B33: 勝手がよひ故。他力の底じやと。邪信を生じ。祈
J09_0265B34: 念になる。祈禱になると。橫筋違にたらかせば。元

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