浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0260A01: | 云世人終日口念本體不識自性彌陀經通讃云口 |
J09_0260A02: | 念心不念又大集日藏經大念小念と説き玉へるを。群 |
J09_0260A03: | 疑論大念者大聲小念者小聲。と判じ玉へり。かく |
J09_0260A04: | の如念の字に。となふると云義ある故。元祖大師選 |
J09_0260A05: | 擇集に。念聲是一と釋成し玉ふなり。猶此上を穿議 |
J09_0260A06: | せば。なる程。念に唱ふるの義あることは。知れ畢 |
J09_0260A07: | れり。されども。念を。おもうと云ことは本訓なり。 |
J09_0260A08: | されば。兩方共に觀と稱と一義あれば。先是では牛角の論 |
J09_0260A09: | と聞るが。爾るに強て導師の義を正意とする義趣は |
J09_0260A10: | と云に。此願文の十念の念は。稱名に局ること。觀經 |
J09_0260A11: | と照し合すれば爭ひなし。觀經下下品の罪人。念佛 |
J09_0260A12: | で助かる所の經文に。令聲不絶。具足十念。稱南無 |
J09_0260A13: | 阿彌陀佛と。説けてあり。此十聲稱佛が。則ち本願 |
J09_0260A14: | の十念なれば。紛なきことなり。先是で本願口稱の義。 |
J09_0260A15: | 更に爭ふ所なし。されども。猶此上に。強難を立て |
J09_0260A16: | て。本願口稱の義は顯はれたれども。爾し觀念でな |
J09_0260A17: | いと云證據もなひからは。觀稱に通ずると見るが。 |
J09_0260B18: | 穩にありそうな物じやがと云に。なる程。念の字の |
J09_0260B19: | 持前は。觀稱に通ずれども。今の本願の十念と云は。 |
J09_0260B20: | 偏に口稱の義にして。觀念には通ぜす。大師念聲是一 |
J09_0260B21: | の御釋。全く此觀念に簡異し玉ふ爲なり。若觀稱に |
J09_0260B22: | 通するの義を立れば。一願兩體の大失を生ずるなり。 |
J09_0260B23: | 一願兩體の失とは。彼十九來迎の願を。覺明房は |
J09_0260B24: | 修諸功德の文に依て。諸行本願の義を立。一念義 |
J09_0260B25: | 修諸功德の。諸行の者を來迎し玉へば。宗門は不 |
J09_0260B26: | 來迎なり。と云云す。十九の願體は來迎なり。爾る |
J09_0260B27: | を修諸功德をも。願體と心得たるが故に。十九の |
J09_0260B28: | 一願に諸行と來迎との。二體を成ずる故に。大失 |
J09_0260B29: | となるなり。 |
J09_0260B30: | 今も亦其如く。若し本願が觀念なれば。口稱に通ぜ |
J09_0260B31: | ず。又口稱なれば。觀念に通ぜず。是れ一願一體な |
J09_0260B32: | る故なり。爾るに。本願口稱の義は。上に述るが如 |
J09_0260B33: | く。又相傳に。同本異譯の。平等覺經。寶積經。莊 |
J09_0260B34: | 嚴經等。皆名號の顯説あり。他證を求むべかざる歟。 |