ウィンドウを閉じる

J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0259A01: 説の上に難を立てて。大師左の如。古來の智者逹の
J09_0259A02: 所立を拂ひて。觀念理解の念佛は。本願の正意に非
J09_0259A03: ずとはの玉ひしぞ。片口聞ひては理はつけられぬ。
J09_0259A04: 何として。元祖の所立の口稱が正意で。諸師所立の觀
J09_0259A05: 念等が謬りぞと云に。元祖大師。斯く詞をはなつて。
J09_0259A06: 古來の智者逹の所立の。觀念等に非ずと。一棒に拂
J09_0259A07: ひ玉ひしは。選擇集にの玉ふ如く。善導一師に依ると
J09_0259A08: て。導師の指南に依り玉へり。導師の御釋。廣く諸
J09_0259A09: 所に本願念佛は。稱名ぞと釋し玉へり。中に於ても。
J09_0259A10: 至て明かなるは。十八本願の文を釋して。若我成佛。
J09_0259A11: 十方衆生稱我名號。下至十聲等と釋し。又觀經の附
J09_0259A12: 屬の文を釋しては。上來雖説定散兩門之益望佛
J09_0259A13: 本願意在衆生一向專稱彌陀佛名と釋し。別し
J09_0259A14: て五種正行の上に。正業助業の分別をなし玉へる等。
J09_0259A15: 靑天白日の如し。是等の御指南に依て。元祖大師觀
J09_0259A16: 念理解の念佛に非ずと。拂ひ玉へるなり。先是で大
J09_0259A17: 師は。導師に依り玉ふと云ことは明らかなり。さて。
J09_0259B18: 善導大師が其通りに仰られたればとて。すましては。
J09_0259B19: 又天下の公談とは云へぬに依て。是より亦善導大師
J09_0259B20: と。古來の諸師との上で論判して。正不を明むるな
J09_0259B21: り。さて先。諸師の義から立て置くべし。古來漢和
J09_0259B22: 兩朝の智者逹は。いかなる所由あつて。本願の念佛
J09_0259B23: を。觀念理解との玉ひたるぞと云に。いかにも一往
J09_0259B24: 所以のあることなり。先十八の願文に十念とあり。念
J09_0259B25: は心念の義なる故に。觀念と云。或は心に解了する。
J09_0259B26: 理解の念佛と定め玉へり。猶往生ほどの一大事を遂
J09_0259B27: ることが。口稱位の心易きことで。有ふとは思はれぬこと
J09_0259B28: 故に。觀念理解の奧深き。心地修行と見玉へり。是
J09_0259B29: 一往理の聞へたることなり。さて又。導師は何故に。
J09_0259B30: 稱名とは定め玉ひたぞ。經文明らかに。十念とあれ
J09_0259B31: ば。口稱と云ては。念の字意に背くがと云に。なる
J09_0259B32: 程念はおもふの義なれども。又口で稱ふることにも。
J09_0259B33: つかう文字なり。其證を云はば。誦經を念經と云。
J09_0259B34: 散心誦法華念法華文字等と云。弘决二之一又六祖壇經

ウィンドウを閉じる