浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0259A01: | 説の上に難を立てて。大師左の如。古來の智者逹の |
J09_0259A02: | 所立を拂ひて。觀念理解の念佛は。本願の正意に非 |
J09_0259A03: | ずとはの玉ひしぞ。片口聞ひては理はつけられぬ。 |
J09_0259A04: | 何として。元祖の所立の口稱が正意で。諸師所立の觀 |
J09_0259A05: | 念等が謬りぞと云に。元祖大師。斯く詞をはなつて。 |
J09_0259A06: | 古來の智者逹の所立の。觀念等に非ずと。一棒に拂 |
J09_0259A07: | ひ玉ひしは。選擇集にの玉ふ如く。善導一師に依ると |
J09_0259A08: | て。導師の指南に依り玉へり。導師の御釋。廣く諸 |
J09_0259A09: | 所に本願念佛は。稱名ぞと釋し玉へり。中に於ても。 |
J09_0259A10: | 至て明かなるは。十八本願の文を釋して。若我成佛。 |
J09_0259A11: | 十方衆生稱我名號。下至十聲等と釋し。又觀經の附 |
J09_0259A12: | 屬の文を釋しては。上來雖説定散兩門之益望佛 |
J09_0259A13: | 本願意在衆生一向專稱彌陀佛名と釋し。別し |
J09_0259A14: | て五種正行の上に。正業助業の分別をなし玉へる等。 |
J09_0259A15: | 靑天白日の如し。是等の御指南に依て。元祖大師觀 |
J09_0259A16: | 念理解の念佛に非ずと。拂ひ玉へるなり。先是で大 |
J09_0259A17: | 師は。導師に依り玉ふと云ことは明らかなり。さて。 |
J09_0259B18: | 善導大師が其通りに仰られたればとて。すましては。 |
J09_0259B19: | 又天下の公談とは云へぬに依て。是より亦善導大師 |
J09_0259B20: | と。古來の諸師との上で論判して。正不を明むるな |
J09_0259B21: | り。さて先。諸師の義から立て置くべし。古來漢和 |
J09_0259B22: | 兩朝の智者逹は。いかなる所由あつて。本願の念佛 |
J09_0259B23: | を。觀念理解との玉ひたるぞと云に。いかにも一往 |
J09_0259B24: | 所以のあることなり。先十八の願文に十念とあり。念 |
J09_0259B25: | は心念の義なる故に。觀念と云。或は心に解了する。 |
J09_0259B26: | 理解の念佛と定め玉へり。猶往生ほどの一大事を遂 |
J09_0259B27: | ることが。口稱位の心易きことで。有ふとは思はれぬこと |
J09_0259B28: | 故に。觀念理解の奧深き。心地修行と見玉へり。是 |
J09_0259B29: | 一往理の聞へたることなり。さて又。導師は何故に。 |
J09_0259B30: | 稱名とは定め玉ひたぞ。經文明らかに。十念とあれ |
J09_0259B31: | ば。口稱と云ては。念の字意に背くがと云に。なる |
J09_0259B32: | 程念はおもふの義なれども。又口で稱ふることにも。 |
J09_0259B33: | つかう文字なり。其證を云はば。誦經を念經と云。 |
J09_0259B34: | 散心誦法華念法華文字等と云。弘决二之一又六祖壇經 |