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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0258A01: れし如き。汝等が得つとめぬ。六つかしひ觀念では
J09_0258A02: なひ。八十の老翁。三歳の嬰兒。東西不辨の愚者迄
J09_0258A03: も。心易くつとまる所の。口稱念佛ぞと云ことを。明
J09_0258A04: に示し。別して此御遺誓には。除疑生信の誓言まで。
J09_0258A05: なし下されし御蔭にて。餘法餘行に望みを斷つ。最
J09_0258A06: 極下劣の皆や此方が。順次往生掌をさして。决定す
J09_0258A07: る身の上となりしは。偏に大師の御賜なれば。其大
J09_0258A08: 恩を空ふせぬ樣に。口稱一行を深く決信すべし。さ
J09_0258A09: て此上に。今日の下ならば。觀念の修行する人は。
J09_0258A10: 我愛するものは。打破つてもつとむることなるに。妻
J09_0258A11: を携へ夫とに從ひ。子を養育する中からも。唱へだに
J09_0258A12: すれば。往生の遂げらるる御念佛。不精にすべきやう
J09_0258A13: なしと。心で心をはげまして。妄念異念の中からも。
J09_0258A14: 唯往生極樂の爲の稱名。すすんで相續せらるべし。
J09_0258A15: 猶本願念佛は觀念でない。口稱じやと云義を顯はす
J09_0258A16: に。本願の素意に約して顯はすと。佛體に就て顯す
J09_0258A17: との二義あり。此義別して肝要のことなれば。辨示す
J09_0258B18: べし。先本願念佛を觀念と云。口稱と云。二義差別
J09_0258B19: する。其根元はと云に。四十八願の中。第十八願の
J09_0258B20: 文に。設我得佛。十方衆生。至心信樂。欲生我國。
J09_0258B21: 乃至十念。若不生者。不取正覺とある。此十念の念
J09_0258B22: の字に依て。諸師は觀念と見。或は觀稱に通する等
J09_0258B23: と定め玉ひ。元祖大師は。觀念の念に非とはらひて。
J09_0258B24: 稱名と立玉へり。爾れば。大師の御勸めを。平信し
J09_0258B25: に信して。つとめてさへ居れば。其人は夫れで何も
J09_0258B26: 不足はなけれども。諸宗に押わたして。天下の公談
J09_0258B27: とはならぬなり。其故は。古來觀念とさたし玉ひし
J09_0258B28: が。歷歷の智者達なれば。因人重法の理ありて。肯
J09_0258B29: はぬ人あるなり。是に依て。是より經文に合し。佛
J09_0258B30: 意にあてて。訖度諸師所立の觀念と云は。誤りで。
J09_0258B31: 大師の口稱念佛と立玉ふが。正意と云義を顯すことな
J09_0258B32: れば。此道理を聞分けて。彌此御法語を。信受し奉
J09_0258B33: るべし。
J09_0258B34: さて是より。正く正不の穿議問答せば。先是迄の所

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