浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0258A01: | れし如き。汝等が得つとめぬ。六つかしひ觀念では |
J09_0258A02: | なひ。八十の老翁。三歳の嬰兒。東西不辨の愚者迄 |
J09_0258A03: | も。心易くつとまる所の。口稱念佛ぞと云ことを。明 |
J09_0258A04: | に示し。別して此御遺誓には。除疑生信の誓言まで。 |
J09_0258A05: | なし下されし御蔭にて。餘法餘行に望みを斷つ。最 |
J09_0258A06: | 極下劣の皆や此方が。順次往生掌をさして。决定す |
J09_0258A07: | る身の上となりしは。偏に大師の御賜なれば。其大 |
J09_0258A08: | 恩を空ふせぬ樣に。口稱一行を深く決信すべし。さ |
J09_0258A09: | て此上に。今日の下ならば。觀念の修行する人は。 |
J09_0258A10: | 我愛するものは。打破つてもつとむることなるに。妻 |
J09_0258A11: | を携へ夫とに從ひ。子を養育する中からも。唱へだに |
J09_0258A12: | すれば。往生の遂げらるる御念佛。不精にすべきやう |
J09_0258A13: | なしと。心で心をはげまして。妄念異念の中からも。 |
J09_0258A14: | 唯往生極樂の爲の稱名。すすんで相續せらるべし。 |
J09_0258A15: | 猶本願念佛は觀念でない。口稱じやと云義を顯はす |
J09_0258A16: | に。本願の素意に約して顯はすと。佛體に就て顯す |
J09_0258A17: | との二義あり。此義別して肝要のことなれば。辨示す |
J09_0258B18: | べし。先本願念佛を觀念と云。口稱と云。二義差別 |
J09_0258B19: | する。其根元はと云に。四十八願の中。第十八願の |
J09_0258B20: | 文に。設我得佛。十方衆生。至心信樂。欲生我國。 |
J09_0258B21: | 乃至十念。若不生者。不取正覺とある。此十念の念 |
J09_0258B22: | の字に依て。諸師は觀念と見。或は觀稱に通する等 |
J09_0258B23: | と定め玉ひ。元祖大師は。觀念の念に非とはらひて。 |
J09_0258B24: | 稱名と立玉へり。爾れば。大師の御勸めを。平信し |
J09_0258B25: | に信して。つとめてさへ居れば。其人は夫れで何も |
J09_0258B26: | 不足はなけれども。諸宗に押わたして。天下の公談 |
J09_0258B27: | とはならぬなり。其故は。古來觀念とさたし玉ひし |
J09_0258B28: | が。歷歷の智者達なれば。因人重法の理ありて。肯 |
J09_0258B29: | はぬ人あるなり。是に依て。是より經文に合し。佛 |
J09_0258B30: | 意にあてて。訖度諸師所立の觀念と云は。誤りで。 |
J09_0258B31: | 大師の口稱念佛と立玉ふが。正意と云義を顯すことな |
J09_0258B32: | れば。此道理を聞分けて。彌此御法語を。信受し奉 |
J09_0258B33: | るべし。 |
J09_0258B34: | さて是より。正く正不の穿議問答せば。先是迄の所 |