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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0250A01: は云べからずとなり。
J09_0250A02: 申せ助けんと云。御本願に隨ひて助け給へと思ひて
J09_0250A03: 申すは。佛の御願と行者の願心と。ひしと合せし。他
J09_0250A04: 力を仰ぐ最上なるに。是を自力と誹謗をなすは。實
J09_0250A05: に邪見邪立の窮りと云べし。若し日課誓はひてよい
J09_0250A06: ことならば。元祖大師鎭西記主。代代の祖師方が。御
J09_0250A07: 自身にも誓はせられ。尚流れを汲む人人は必誓へと
J09_0250A08: 勸めて。宗の規則とし給ものぞ。能能案じて見るべ
J09_0250A09: し。伹し誓へとあればとて。多念數遍のことと計りは
J09_0250A10: 思ふべからず。十遍已上。百千五萬六萬も。機に隨
J09_0250A11: ふて受持することなり云云。總して娑婆は退縁の土故。誓
J09_0250A12: を立ててさへ。少分は退者あり。况や誓はぬ人に於
J09_0250A13: てをや。故に大師の正統を繼給へる。鎭西國師の御
J09_0250A14: 指南には。佛に向ひ奉りて。此往生の爲に誓ふ。日
J09_0250A15: 課を退せば。我身地獄の薪とならんと。誓へとの玉
J09_0250A16: へり。此誓言怖しきことにて。誓ひにくきやうなれど
J09_0250A17: も。たとひ誓ひを立ざれども。もとより罪惡の機な
J09_0250B18: れば。念佛怠れは决定して地獄なり。故にかく誓を
J09_0250B19: 立れば退墮を防き。相續をなし易きなり。されば無
J09_0250B20: 能上人の歌に。『はじめにはものうかりしが今はまた
J09_0250B21: 念佛せさればわびしかりけり。』と詠じ給ひし如く。
J09_0250B22: 或は説法を聞き。或は同行にすすめられ。こはごは
J09_0250B23: 十遍百遍を誓ひし人の。やがて千遍萬遍五萬六萬と
J09_0250B24: 增加せしは何程もあるなり。されば返返も日課不受
J09_0250B25: の。邪義邪勸に妨られず。正義正理の規則に隨ひ。
J09_0250B26: 日課誓受すべきなり。已上大段六科の第二題號の科
J09_0250B27: を畢。
J09_0250B28: もろこし我朝にもろもろの智者逹の。沙汰し申さ
J09_0250B29: るる觀念の念にもあらず。
J09_0250B30: 一部大段六科の内。前に縁起と題號の二科を畢つて。
J09_0250B31: 今席より。第三本文の下なり。此本文の下にて。五
J09_0250B32: つの子科を立るに。今談ずる所は。五科の最初。揀
J09_0250B33: 謬解と云科なり。其謬解を揀ぶとは。古來唐土日本
J09_0250B34: の學匠方が。此本願念佛を。見込違ひの解釋をなし

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