浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0250A01: | は云べからずとなり。 |
J09_0250A02: | 申せ助けんと云。御本願に隨ひて助け給へと思ひて |
J09_0250A03: | 申すは。佛の御願と行者の願心と。ひしと合せし。他 |
J09_0250A04: | 力を仰ぐ最上なるに。是を自力と誹謗をなすは。實 |
J09_0250A05: | に邪見邪立の窮りと云べし。若し日課誓はひてよい |
J09_0250A06: | ことならば。元祖大師鎭西記主。代代の祖師方が。御 |
J09_0250A07: | 自身にも誓はせられ。尚流れを汲む人人は必誓へと |
J09_0250A08: | 勸めて。宗の規則とし給ものぞ。能能案じて見るべ |
J09_0250A09: | し。伹し誓へとあればとて。多念數遍のことと計りは |
J09_0250A10: | 思ふべからず。十遍已上。百千五萬六萬も。機に隨 |
J09_0250A11: | ふて受持することなり云云。總して娑婆は退縁の土故。誓 |
J09_0250A12: | を立ててさへ。少分は退者あり。况や誓はぬ人に於 |
J09_0250A13: | てをや。故に大師の正統を繼給へる。鎭西國師の御 |
J09_0250A14: | 指南には。佛に向ひ奉りて。此往生の爲に誓ふ。日 |
J09_0250A15: | 課を退せば。我身地獄の薪とならんと。誓へとの玉 |
J09_0250A16: | へり。此誓言怖しきことにて。誓ひにくきやうなれど |
J09_0250A17: | も。たとひ誓ひを立ざれども。もとより罪惡の機な |
J09_0250B18: | れば。念佛怠れは决定して地獄なり。故にかく誓を |
J09_0250B19: | 立れば退墮を防き。相續をなし易きなり。されば無 |
J09_0250B20: | 能上人の歌に。『はじめにはものうかりしが今はまた |
J09_0250B21: | 念佛せさればわびしかりけり。』と詠じ給ひし如く。 |
J09_0250B22: | 或は説法を聞き。或は同行にすすめられ。こはごは |
J09_0250B23: | 十遍百遍を誓ひし人の。やがて千遍萬遍五萬六萬と |
J09_0250B24: | 增加せしは何程もあるなり。されば返返も日課不受 |
J09_0250B25: | の。邪義邪勸に妨られず。正義正理の規則に隨ひ。 |
J09_0250B26: | 日課誓受すべきなり。已上大段六科の第二題號の科 |
J09_0250B27: | を畢。 |
J09_0250B28: | もろこし我朝にもろもろの智者逹の。沙汰し申さ |
J09_0250B29: | るる觀念の念にもあらず。 |
J09_0250B30: | 一部大段六科の内。前に縁起と題號の二科を畢つて。 |
J09_0250B31: | 今席より。第三本文の下なり。此本文の下にて。五 |
J09_0250B32: | つの子科を立るに。今談ずる所は。五科の最初。揀 |
J09_0250B33: | 謬解と云科なり。其謬解を揀ぶとは。古來唐土日本 |
J09_0250B34: | の學匠方が。此本願念佛を。見込違ひの解釋をなし |