浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0247A01: | ては。紙板などの。平らなる物を數ふるとき。枚と |
J09_0247A02: | 云。故に釋名には。一枚を。ひとひらと訓ずるなり。 |
J09_0247A03: | 今一枚とあるは紙員多くあるではなひ。唯一枚ぞと。 |
J09_0247A04: | ことはらん爲に。一枚とあるなり。例せば。羅什翻 |
J09_0247A05: | 譯の阿彌陀經を。四紙經と云が如し。 |
J09_0247A06: | 起請文。起請とは。和朝の語にして。唐土には盟誓 |
J09_0247A07: | と云なり。さて起請の起は。發起起動を義とし。請 |
J09_0247A08: | は。奉請勸請招請の義なり。二字合しての意は。佛 |
J09_0247A09: | 菩薩諸天善神を起動せしめ。此座へ勸請して。誓ふ |
J09_0247A10: | 所の其品。虚妄なきことを證して。若し一分も違ふこと |
J09_0247A11: | あらば。佛神の罰を被りて。今世後世。叶はぬ身と |
J09_0247A12: | ならんと誓ふを。招請と云。されば有人淺香山井か徒然草の注は |
J09_0247A13: | 起請はうけをたつとよむ。たとへば人を抱ゆるに。 |
J09_0247A14: | 請人をたつる如く。此こといつはりなきと云證據に。 |
J09_0247A15: | 佛神を請人に立てて。人に心易く思はするなりと云 |
J09_0247A16: | へり。此こと三國に通してあることなり。別して佛法に |
J09_0247A17: | は。誓願と云て。此誓言に依て。大地も震動し。天 |
J09_0247B18: | 華亂墜するに及ぶことあり云云。唐土にては。盟誓と名 |
J09_0247B19: | けて。天子諸侯。十二年に一度。或は三年等に。牛 |
J09_0247B20: | の血を啜て。此誓ひを背かじと。誓約するなり。日 |
J09_0247B21: | 本にては。神代に誓約と名けて。素盞烏の尊。天照 |
J09_0247B22: | 大神の御前に於て。誓を立玉ひしが濫觴にて。應神 |
J09_0247B23: | 天皇の御時に。正く起請と云が始りしなり。其所由 |
J09_0247B24: | は。武内宿穪執政せらるるを。弟の甘美内宿穪讒言 |
J09_0247B25: | せし故。天皇則ち神前にして。湯を探らしめ給へり。 |
J09_0247B26: | 熱湯を探るを。湯起請と云。鐵火を握るを。火起 |
J09_0247B27: | 請と云。口に云を。誓言と云。書にしるすを起請 |
J09_0247B28: | 文と云。 |
J09_0247B29: | 爾れども是大切のことにして。假初になすことには非な |
J09_0247B30: | り。爾るに大師。此起請文に及び玉へることは。衆生 |
J09_0247B31: | の出離一大事の爲なる故。斯く誓言に及玉へり。故 |
J09_0247B32: | に勢觀上人の奧書にも。門人邪義存人多上人滅後尚 |
J09_0247B33: | 以猥異義依之雖病床臥給此一紙申請處也爲令 |
J09_0247B34: | 不殘疑滯上人御自筆御判形令注置給處如件 |