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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0244A01: 人こそは我正統をつぐべき者ぞと。智眼を以見極め
J09_0244A02: 玉へる故に。斯く懇に御敎示ありしものなり。され
J09_0244A03: ば。其後鎭西上人をば我世にありて本願念佛を弘通
J09_0244A04: するに。露違ふことなしとて。辨阿は予が若くなれるな
J09_0244A05: りと。毎度稱美なし玉へり。餘の御弟子に如此御稱
J09_0244A06: 美に。あづかり玉へるありや。又。二祖の大師へ御
J09_0244A07: 入門は建久八年五月なるに。翌九年の春。御撰述の
J09_0244A08: 選擇集を。直に二祖へ授け給へる。大師の御詞に云。
J09_0244A09: 是は月輪殿の仰によりて撰べる所なり。未だ披露に
J09_0244A10: 及ばずと云へども。汝は法器なり。傳持に堪たり。早
J09_0244A11: く此書をうつして。末代に弘むべしと。御傳四十六<三丁>大師既
J09_0244A12: に汝は法器なり。傳持に堪たり。末代に弘むべしと。
J09_0244A13: 仰られたり。正統傳持。論を待べからず。
J09_0244A14: 此選擇集御附屬のこと。二祖國師の外には。隆寬律
J09_0244A15: 師にあるのみ。されども是は御撰述後。九年を經
J09_0244A16: て。元久三年のことなり。其上御附屬の御詞。雲泥
J09_0244A17: の相違あり。御傳四十四の。卷律師の傳に云。上
J09_0244B18: 人小松殿の御堂におはしましける時元久三年三月
J09_0244B19: 十四日。律師參り給ひけるに。上人後戸に出むか
J09_0244B20: ひ給ひて。ふところより一卷の書をとりいだして
J09_0244B21: これは月輪殿の仰によりてゑらび進ずるところの
J09_0244B22: 選擇集なり。のする所の要文要義は。善導和尚淨
J09_0244B23: 土宗をたて給ふ肝心なり。はやく書寫して披覽す
J09_0244B24: べし。もし不審あらばたづね問ふべきなり云云。御
J09_0244B25: 附屬の御詞。彼此相對して見つべし。豈同日の論
J09_0244B26: ならんや。
J09_0244B27: 又一向宗に。專ら選擇集御附屬などど云へども。
J09_0244B28: 勅修御傳四十八卷中に。ふつにあることなき虚言な
J09_0244B29: り。又彼れが所立は。選擇集とは悉く反轉せり。
J09_0244B30: さるに依て。一流の點とて。文を曲げて點をつけ
J09_0244B31: たるものなり。反轉する所立なれば。選擇集を用
J09_0244B32: ひざれば。却て痛むことなけれども。邪解してつけ
J09_0244B33: かへし點を。大師より密に傳へ玉へる深義に依て。
J09_0244B34: 施すやうに云ひなすこと。害中の大害。實に此邪謀

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