浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0243A01: | ること兩度なり。斯く平生より。御辛勞に思し召さる |
J09_0243A02: | る邪義のこと故。滅後はさぞといたみ玉ふ所へ。常隨 |
J09_0243A03: | の御弟子勢觀上人。又此ことを深く歎き。早御臨終も |
J09_0243A04: | 遠からぬ御容子故。御在命の中に。御遺訓を申請。 |
J09_0243A05: | 安心起行の龜鑑とせんとて。御願ひありし故。大師 |
J09_0243A06: | はよろこび。兼て鎭西上人へ授け置玉ひたる御法語 |
J09_0243A07: | に。誓言手印を添て給はりしなり。此大師の御意を |
J09_0243A08: | 窺に。我遺言とて外になし。兼て鎭西の聖光に。授 |
J09_0243A09: | けたる法語の趣き。尚彼れが勸むる。口稱念佛の外 |
J09_0243A10: | に。まつたく我所存なし。爾るを六つかしき。之乎者 |
J09_0243A11: | 也奧深きことありなど云は。邪師邪勸なれば。必妨げら |
J09_0243A12: | るるなと示し。兼て我二代の正統は。鎭西の聖光ぞと |
J09_0243A13: | 云ことを。海内に知らせ。其德風を後代に傳へんと思 |
J09_0243A14: | 召の善巧。深智の御仕業と云者なり。さらずはいか |
J09_0243A15: | で御一代數多の御法語の中に於て。鎭西相承の法語 |
J09_0243A16: | を擇び取て。御遺訓とし玉はんや。さて此御遺訓の |
J09_0243A17: | 意趣を聞ては。鎭西上人を正統傳持と云に爭ひなし。 |
J09_0243B18: | 爾れども。義證にして文證に非。若文證あらば。無 |
J09_0243B19: | 智の者。彌信受し易からんと云に。其證又數件あり。 |
J09_0243B20: | 今少分を示さん。初め鎭西上人。大師の御弟子とな |
J09_0243B21: | り玉ひてより。日日に御敎示を受玉ふに。或時感西 |
J09_0243B22: | 上人。鎭西上人に對して云。連日御學問の間。御老 |
J09_0243B23: | 體定て御勞れもあらん歟。夜中の御念佛も。御大事 |
J09_0243B24: | に候。今よりは隔日に御參りあるべき歟と。鎭西上 |
J09_0243B25: | 人も。御尤の御こととて。一日不參し玉ひしに。平日參 |
J09_0243B26: | 入の時刻もうつれば。大師待わび玉ひて。疾く來ら |
J09_0243B27: | れよ法門談ぜんとて。御使ありければ。鎭西上人は。 |
J09_0243B28: | 大師の思召厚きを喜び。涙乍らに急ぎてまゐりたま |
J09_0243B29: | いければ。日日不參せられまじと仰ありて。其後亦 |
J09_0243B30: | 已前の通に。法門を授受し玉ひしと。决答疑問鈔上卷の意如斯 |
J09_0243B31: | 大師の志をはこび。懇切に相承ありしは。鎭西上人 |
J09_0243B32: | より外。いづれの人ぞや。本地は彌陀の智慧を司る |
J09_0243B33: | 勢至菩薩。埀迹し玉ひては。智慧第一と稱せられ玉 |
J09_0243B34: | へる。大師なれば。師弟の御契約ありし始より。此 |