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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0243A01: ること兩度なり。斯く平生より。御辛勞に思し召さる
J09_0243A02: る邪義のこと故。滅後はさぞといたみ玉ふ所へ。常隨
J09_0243A03: の御弟子勢觀上人。又此ことを深く歎き。早御臨終も
J09_0243A04: 遠からぬ御容子故。御在命の中に。御遺訓を申請。
J09_0243A05: 安心起行の龜鑑とせんとて。御願ひありし故。大師
J09_0243A06: はよろこび。兼て鎭西上人へ授け置玉ひたる御法語
J09_0243A07: に。誓言手印を添て給はりしなり。此大師の御意を
J09_0243A08: 窺に。我遺言とて外になし。兼て鎭西の聖光に。授
J09_0243A09: けたる法語の趣き。尚彼れが勸むる。口稱念佛の外
J09_0243A10: に。まつたく我所存なし。爾るを六つかしき。之乎者
J09_0243A11: 也奧深きことありなど云は。邪師邪勸なれば。必妨げら
J09_0243A12: るるなと示し。兼て我二代の正統は。鎭西の聖光ぞと
J09_0243A13: 云ことを。海内に知らせ。其德風を後代に傳へんと思
J09_0243A14: 召の善巧。深智の御仕業と云者なり。さらずはいか
J09_0243A15: で御一代數多の御法語の中に於て。鎭西相承の法語
J09_0243A16: を擇び取て。御遺訓とし玉はんや。さて此御遺訓の
J09_0243A17: 意趣を聞ては。鎭西上人を正統傳持と云に爭ひなし。
J09_0243B18: 爾れども。義證にして文證に非。若文證あらば。無
J09_0243B19: 智の者。彌信受し易からんと云に。其證又數件あり。
J09_0243B20: 今少分を示さん。初め鎭西上人。大師の御弟子とな
J09_0243B21: り玉ひてより。日日に御敎示を受玉ふに。或時感西
J09_0243B22: 上人。鎭西上人に對して云。連日御學問の間。御老
J09_0243B23: 體定て御勞れもあらん歟。夜中の御念佛も。御大事
J09_0243B24: に候。今よりは隔日に御參りあるべき歟と。鎭西上
J09_0243B25: 人も。御尤の御こととて。一日不參し玉ひしに。平日參
J09_0243B26: 入の時刻もうつれば。大師待わび玉ひて。疾く來ら
J09_0243B27: れよ法門談ぜんとて。御使ありければ。鎭西上人は。
J09_0243B28: 大師の思召厚きを喜び。涙乍らに急ぎてまゐりたま
J09_0243B29: いければ。日日不參せられまじと仰ありて。其後亦
J09_0243B30: 已前の通に。法門を授受し玉ひしと。决答疑問鈔上卷の意如斯
J09_0243B31: 大師の志をはこび。懇切に相承ありしは。鎭西上人
J09_0243B32: より外。いづれの人ぞや。本地は彌陀の智慧を司る
J09_0243B33: 勢至菩薩。埀迹し玉ひては。智慧第一と稱せられ玉
J09_0243B34: へる。大師なれば。師弟の御契約ありし始より。此

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