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院家

提供: 新纂浄土宗大辞典

いんげ/院家

寺格の一つ。門跡に次ぐ格式と由緒をもつ寺院。またそのような寺院住職のこと。『和漢三才図会』一二・七二末の本願寺十ヶ寺勅許院家寺処々の項には「宇多うだ朱雀すざく二天皇が落飾して仁和寺に入られ、御門跡の号はここから始まる。その時相従って出家した貴族を院家衆と称する。これより門跡寺には必ず院家がある」(『東洋文庫』四九八・一五一)としている。


【参照項目】➡門跡


【執筆者:西城宗隆】


増上寺の待遇者。増上寺では本山の護持発展に功績のあった浄土宗僧侶を『増上寺施行規則』(本山功績点、待遇及び表彰)によって待遇している。老宿ろうしゅくを初位として耆宿ぎしゅく院家上座大和尚じょうざだいかしょう法務ほうむ和尚を最上位としている。院家に列した者には、蓮社号の上に院号無量光院などの三文字の院号)を授与している。通常は院家以上を尊宿そんしゅくと称している。昭和六年(一九三一)制定の「大本山増上寺待遇規定」には、顧問教監・一山一老・執事長・内役長・建築局長が院家に相当し、檀林は上座大和尚大檀林は法務大和尚としていた(『大本山増上寺本末規約』昭和一二年〔一九三七〕)。また、華頂宮より院家を特賜された例がある。例えば隆円は、文政五年(一八二二)に華頂宮(尊超法親王)より「常恭敬院」の号を特賜された。また大雲は、華頂宮(尊秀法親王)より院家に列せられて「無量覚院」を賜った。


【参照項目】➡院号


【執筆者:西城宗隆】