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阿摩羅識

提供: 新纂浄土宗大辞典

あまらしき/阿摩羅識

本来清らかな心(自性清浄心じしょうしょうじょうしん)。阿頼耶識あらやしき煩悩から離れて転換した汚れのない清浄な識をいう。阿摩羅はⓈamalaの音写。識はⓈvijñānaの意訳。無垢識、清浄識とも訳され、阿末羅識、菴摩羅識、庵摩羅識などとも書く。真諦訳の唯識論書『決定蔵論』『転識論』『十八空論』にみられる観念。真諦訳を所依とする摂論しょうろん学派では、これを阿頼耶識とは別の第九識とみなして九識説を主張した。しかし新来の玄奘訳を所依とする唯識学派(後の唯識宗・慈恩宗)では、これを阿頼耶識清浄な面に他ならないとして八識説を正当とした。これにより摂論学派は衰退したが、阿摩羅識観念は、偽経や天台・華厳・密教等の文献に引用・継承されている。


【参照項目】➡自性清浄心


【執筆者:吉村誠】