阿弥陀経付属
提供: 新纂浄土宗大辞典
あみだきょうふぞく/阿弥陀経付属
釈尊が『阿弥陀経』を舎利弗に授け、この教えを後の世まで広く伝えるように託したこと。「浄土三部経」の中、『無量寿経』は弥勒、『観経』は阿難に対してそれぞれ付属されているが、『阿弥陀経』には付属が明記されていない。善導は『法事讃』において「世尊の説法時まさに了りなんとす。慇懃に弥陀の名を付属す」(浄全四・二五下)との経旨により『阿弥陀経』付属を明らかにしている。法然も『阿弥陀経釈』でこれを受けて付属を記し、さらに『選択集』一六において、「釈迦如来弥陀の名号を以て慇懃に舎利弗等に付属したまうの文」(聖典三・一八二)と題し、同じく善導の『法事讃』の一説を基に釈尊が舎利弗に慇懃に付属したことを明らかにしている。また、良忠は『決疑鈔』において『阿弥陀経』に付属がないことは省略であると述べている(浄全七・三四〇下)。
【参考】石井教道『選択集全講』(平楽寺書店、一九九五)
【参照項目】➡付属
【執筆者:丸山孝立】