善導『観経疏』玄義分における下品三生の人の解釈。善導は三輩九品の人すべてを仏滅後の五濁悪世の凡夫であるとし、機根の異なりをみない。九品の差別についてはあくまで遇縁の相異に過ぎないとしている。そして、仏法・世俗のどちらにおいても善根を積まず、ただ平生に悪業のみをつくる下品の三人について、「これ悪に遇える凡夫なり」(聖典二・一七七/浄全二・八上)と説いている。
【執筆者:吉水岳彦】