完全なる涅槃、すなわち釈尊の入滅のこと。Ⓢpari-nirvāṇaの訳語。無余むよ涅槃と同義。釈尊は三五歳で涅槃を獲得して、仏陀となった。この時に釈尊は、煩悩による精神的な苦しみから解放されたと考えられる。しかしながら肉体的な苦はまだ残っていた。この身の苦しみは八〇歳の入滅によって断たれたと考えられ、これを般涅槃という。この般涅槃によって釈尊は心身の苦から完全に解脱したのである。
【参照項目】➡無余涅槃・有余涅槃
【執筆者:編集部】