操作

耆宿

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぎしゅく/耆宿

仏道に入って年月を経た学徳すぐれた僧の通称。『礼記』曲礼・上には「六十を耆と曰う」とあり、『釈氏要覧』中「長幼の序」の項には、『月灯三昧経』を引用して、年齢ではなく夏臘げろうであり、耆宿ならば恭敬して接足礼をすべしと説く(正蔵五四・二七八上)。転じて総・大本山に対して功績のあった者に贈る称号をいう。知恩院の『総本山待遇規定』は、祖山および一宗に対する功労、祖山中心の道念厚き教師を、一級耆宿(七〇歳以上)、二級宿老(六〇歳以上)、三級長老(五〇歳以上)の待遇にしている。『増上寺施行規則』は、浄土宗教師のうち、増上寺の護持発展に特に功績のあった者には、①老宿②耆宿院家④上座大和尚⑤法務大和尚の待遇にし、老宿を初位とし、法務大和尚を最高位としている。


【執筆者:西城宗隆】