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法界寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

ほうかいじ/法界寺

京都市伏見区日野西大道町。東光山。日野薬師または乳薬師とも呼ばれる。真言宗醍醐寺派。永承六年(一〇五一)、日野資業すけなり伝教大師作と伝わる先祖相伝の小像を胎内に納めた薬師如来像を祀ったのが始まり。本尊薬師如来立像(国重要文化財)は秘仏で、現在の薬師堂(国重要文化財/康正二年〔一四五六〕)は明治三七年(一九〇四)に旧伝灯寺の建物を移築したもの。承久の乱でその堂宇の大半を焼失し、現存する阿弥陀堂(国宝)も鎌倉時代に再建された。阿弥陀堂本尊阿弥陀如来坐像(国宝)は、宇治平等院阿弥陀如来坐像を範とした、定朝様の仏像の中でも秀逸な像として名高い。阿弥陀堂内陣の四天柱には金剛界諸尊を、小壁には飛天や定印阿弥陀などを描く。修正会しゅしょうえ結願日にあたる一月一四日に、阿弥陀堂広縁で催される「日野裸踊」は京都市無形民俗文化財に指定されている。また、法界寺のある日野の里は浄土真宗宗祖親鸞生誕の地と伝えられ、境内に隣接して「産湯の井戸」「えな塚」、父日野有範の墓碑がある。


【執筆者:太田亜希】