法度
提供: 新纂浄土宗大辞典
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中・近世における法律のこと。特に江戸時代は幕府の制定した法理を表す。達・触書・掟・置文・式目など様々な名で呼ばれる。浄土宗では、法然の『七箇条制誡』以降、聖冏の「白旗式状」や近江国阿弥陀寺宗真の「阿弥陀寺清規」など、室町時代になると各流派によって独自の法度が出された。それが集大成されたものが、元和元年(一六一五)に発布された「浄土宗法度」(元和法度ともいう)である。これは三五箇条からなり、寺院の統制、僧侶の修行および位階、諸儀式に関して規定されており、その後、幕府が発布する法度の基本とされた。また法度には、増上寺総録所や知恩院、あるいは寺院独自で発布するものもあった。
【資料】『増上寺文書』(『増上寺史料集』一)、『山門通規』(同上三)
【参考】藤本了泰「中世浄土宗教団の諸掟書」(『鴨台史報』五、一九三七)
【参照項目】➡浄土宗法度
【執筆者:𠮷水成正】