一四巻。藤原明衡編。漢詩文。康平年間(一〇五八—一〇六五)頃の成立か。弘仁から長元年間(八一〇—一〇三七)の詩文四二七編を収める。作品の分類は『文選』に倣ったものが多く、起請・呪願・表白・発願・願文・諷誦文など仏教に関する章や和歌序など特有なものもある。『和漢朗詠集』など朗詠の秀句に採られたものも多く、慶滋保胤よししげのやすたねの「池亭記」が収められている。後世の『本朝続文粋』『朝野群載』などの文集の規範となった。
【執筆者:榊泰純】