ふさつかいしき/布薩戒私記
一巻。貞極撰。称名念仏が布薩戒であることを示すもの。第一「作法」に三帰三竟・示相、第二「説戒」に戒相・戒体、第三「釈名」、第四「破旧解」、第五「簡異」について示している。この中、念仏の戒相において総じて戒の義を論ずる場合、孝順と止悪となり、また別相として三帰、三聚、五戒、摂諸教を挙げ、前の三つは、すべて名号の万徳の中に収まることを示し、後の一つには、その経証となるところを列挙し、これらを踏まえて念仏の法が布薩戒の戒法であることを示している。
【所収】『四休菴貞極全集』上
【参照項目】➡布薩戒
【執筆者:髙津晴生】