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岌往

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぎゅうおう/岌往

一六世紀頃、生没年不明。藤田派の僧。ことに甲信地方で弘通教化をはかる。生国は大和国。天正一一年(一五八三)甲斐国一宮(山梨県笛吹市)に瑞蓮寺を創建、同一四年には同国山梨郡(甲府市)に帰命院を創建し、この地で没する。また下総国下大野(茨城県古河市)の正定寺にも止住し、善導撰とする偽書『仏説浄土経念仏為大利無上功徳秘法』(高声寺蔵)の撰述にもかかわったと考えられる。弟子岌道の時代には白旗派に合流する。


【資料】『鎮流祖伝』五、『浄土宗寺院由緒書』上(『増上寺史料集』五)


【執筆者:藤本顕通】