専修道場
提供: 新纂浄土宗大辞典
せんしゅうどうじょう/専修道場
知恩院塔頭福寿院内にあった、浄土宗の人材育成のための道場。大正一一年(一九二二)六月、開宗七五〇年を記念して開設。浄土宗の遺風を遵奉し、宗門正統の教義研修を目的として、佛教専門学校や大正大学などの卒業生を対象に宗学と布教に関する教育を施し、毎月一回、別時念仏修行および宗義研究会を行っていた。そこに学ぶ学徒を清衆と呼び、上首(道場長)・首座(教授)・講授・理事などで構成され、知恩院が監督経営した。初代上首は土川善澂で、二代上首は林彦明。初年度の清衆には岸信宏などがいた。当時を代表する宗学研究機関であり、多数の指導的人材を宗門に輩出している。昭和八年(一九三三)から機関誌として『専修学報』を毎年発刊、指導陣による研究論文が多く掲載されている。同一九年四月以降は華頂居士林の併設、福寿院寺地の華頂女学校校地への吸収など道場を取り巻く環境が激変し、同年六月の『専修学報』一二号発刊をもって事実上活動を停止した。
【参照項目】➡専修学報
【執筆者:齋藤蒙光】