操作

孝養父母

提供: 新纂浄土宗大辞典

きょうようぶも/孝養父母

西方極楽に生まれることを願う人が修める三福のなかの浄業の一つ。『観経疏』に説かれる九品のなかの中品下生の者の行である。善導は『観経疏』において父母の恩に報いる行為であるとする。法然は『逆修説法四七ししち日において、孝養を世間と出世とにわける(昭法全二五八~九)。世間の孝養とは『孝経』等に説く、父母より受けた身体を傷つけないという孝養、身を立て道を行うという孝養、天子、侯卿、大夫、士、庶人という五種の身分でのそれぞれの孝養、水菽すいしゅくの孝養、顔色の孝養であるとする。出世の孝養とは、世俗の恩愛を棄て悟りの境地に入り真の意味で恩に報いるという真実の孝養。出家の立場で、智徳をそなえ名を高めることや、父母を養うこと(生縁奉事)も出世の孝養とする。


【資料】『選択集』一二


【参照項目】➡孝経


【執筆者:眞柄和人】