妙好人
提供: 新纂浄土宗大辞典
みょうこうにん/妙好人
信・行ともに優れた専修念仏者をいう。『観経』において、念仏者は人中の分陀利華(白蓮華)であると譬えられ、それをうけた善導は『観経疏』散善義において、念仏者には五種の嘉誉(好人・妙好人・上上人・希有人・最勝人)があることを明らかにし、法然は『選択集』一一で「人中の妙好人と言うは、これ粗悪に待して称する所なり」(聖典三・一六一/昭法全三三七)と釈している。とくに雑行を捨てて正行に帰した人を讃美した呼称であるとされる。良暁の『決疑鈔見聞』には五種の嘉誉それぞれに行福、戒福、世福、三福、諸行を配しており、妙好人には戒福が当てられている。江戸末期に真宗では『妙好人伝』六巻が出版され、妙好人は真宗門徒の理想とされた。
【執筆者:竹内正俊】