迷いの心。凡夫の誤った考え、または不真実な思い。六境に固執すること。無明むみょうのこと。場合によっては、一種の怨念とすることもある。妄執、妄想、妄想顚倒、妄闇等と同義。源信の『横川よかわ法語』には「妄念はもとより凡夫の地体なり。妄念の外に別の心もなきなり」(『日本古典文学大系』八三・五一)とあり、妄念は凡夫にもとから具わっているものであるとしている。
【資料】『成実論』一
【参照項目】➡六根・六境・六識、無明
【執筆者:薊法明】