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大集月蔵経

提供: 新纂浄土宗大辞典

だいじゅうがつぞうきょう/大集月蔵経

北斉・天統二年(五六六)、那連提耶舎なれんだいやしゃ訳。この経典は、多くの経典を集めて編集された『方等大集経だいほうどうだいじっきょう』六〇巻のうち、第四六巻~五六巻に収められる「月蔵分がつぞうぶん」のことで、その部分をこのように呼ぶ。仏滅後の時代を五〇〇年ごとに区分した五堅固説が示されており、『安楽集』では、現今はその中第四の五〇〇年に当たるとし、原文をもとに『観経』の説を合釈、「まさしくこれ、懺悔し福を修して応に仏の名号を称すべき時」(浄全一・六七四上正蔵四七・四中)であるとして、称名念仏を勧励している。法然も『選択集』劈頭に同経を引用し、時と機の相応すべきことを説示している。


【所収】正蔵一三


【参考】石井教道『選択集全講』(平楽寺書店、一九六七)


【執筆者:粂原恒久】