大五条
提供: 新纂浄土宗大辞典
おおごじょう/大五条
五条袈裟の一つ。条の部分を左肩にして、威儀の部分を右肩に至らしめるように掛ける袈裟のことで、肩五条ともいう。禅宗の掛絡の鐶をとり除いたもので、浄土宗で用いられるようになったのは、禅宗より浄土宗に転宗した鎮誉祖洞が禅宗より苦言を受け、鐶をはずしたことによる(『結城弘経寺志』浄全二〇・一三二)。典謁・侍者・伴僧の袈裟として用いることが多いが、導師が式典などの前後に用いることもある。大玄の『蓮門小子訓』には、「上方にては尊宿に謁するには右肩を袒(脇掛)と云ふ」とあるように、知恩院御忌の御忌定式では脇掛で用いられる。
【参考】堀井慶雅『法式教案』(私家版、一九三八)、福西賢兆『図説浄土宗の法式』一(斎々坊、一九九〇)【図版】巻末付録
【執筆者:大澤亮我】