大乗の善根功徳を成就して仏となることができる世界のことで、極楽浄土を指す。世親『往生論』に「大乗善根界は等しくして譏嫌の名も無く、女人及び根欠と二乗との種生ぜず」(聖典一・三五七/浄全一・一九二)とある。極楽を、あらゆる譏そしりや差別を離れ、大乗の心を持った者ばかりの平等一味びょうどういちみの世界にしたいという阿弥陀仏の願いが成就された境界である。
【資料】曇鸞『往生論註』下(浄全一)、聖冏『糅鈔』九(浄全三)
【執筆者:吉水岳彦】