二巻。伝証空撰。『無量寿経』の四十八願を一々解釈することを中心に、序分・四誓偈・三輩・五智・流通などについての略説を付す。四十八願を三つに分け、はじめの一六願を「定散」、中の一六願を「念仏」、終わりの一六願を「来迎」に当てるなど、特殊な用語(事相名目)を用いる。『選択密要決』『当麻曼陀羅注』等と共に「西山事相三十八巻鈔」と呼ばれる観道釈の一つで、西山派、中でも西谷義吾妻系の伝法に関わる書である。
【所収】仏全六三、西全二
【執筆者:稲田廣演】