僧侶の死をいう。悟りの意が転じて、僧侶の死を意味する語となった。「涅槃寂静 円満成就」を略して円寂という。示寂、妙寂ともいう。白木位牌の上の置字としたこともある。現今では遷化・西化と同様に、位牌・戒名紙の命日の項目で用いることもある。声明の「念誦」にある「新円寂しんえんせき」の語は、「生死を出離して今新たに仏果に入る義なり」とし(『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』下・二一六オ)、特に「新」の字は中陰中に限ることとしている。
【資料】『諸回向宝鑑』一・一六ウ
【執筆者:清水秀浩】