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六阿弥陀

提供: 新纂浄土宗大辞典

ろくあみだ/六阿弥陀

行基夢告を受けて一木から刻んだという六体の阿弥陀仏像のこと。仏像の造立を依頼した長者は六箇寺を建立し像を安置したといわれる。東京都内にあるその六箇寺とは、一番西福寺(北区豊島。真言宗西方浄土往生し福楽利益を授ける)、二番恵命寺(旧延命寺。足立区江北。真言宗現世に家内安全息災延命の利益を授ける)、三番無量寺(北区西ヶ原。真言宗。福寿無量に諸願を成就させる)、四番与楽寺(北区田端。真言宗。一切衆生安楽を与える)、五番常楽院(調布市西つつじヶ丘。天台宗。常に一家和楽の福徳を授ける)、六番常光寺(江東区亀戸。曹洞宗。未来には常に光明を放つ身を会得させる)である。これらの寺院は、特に江戸時代に春秋彼岸に参詣する人々で賑わい、写し霊場も作られた。


【参考】石井重誉「武州六阿弥陀の由来」(六阿弥陀第二番霊場、一九三一)


【執筆者:宮入良光】