仏心宗
提供: 新纂浄土宗大辞典
ぶっしんしゅう/仏心宗
禅宗の別称。人間が皆生まれながらにして具えている仏性(仏心)を顕現することで直ちに仏となることを目指す宗門であることからこう呼ばれる。法然は『無量寿経釈』において諸行の難行性を説く中で、「次に仏心宗の意に由りて、見性成仏を以て別願と為せば、恵可、僧弄、弘忍、恵能は往生すべし」(昭法全七一)と述べており、能忍に連なる南宗禅の系脈を仏心宗と呼称しているのを見て取れるが、ここ以外では禅宗を達磨宗もしくは禅門と呼称していることが多い。
【参考】大谷旭雄「逆修法会の成立史的研究—成立年時と成立時の形態考—」(『法然浄土教とその周縁 坤』山喜房仏書林、二〇〇七)
【参照項目】➡禅宗
【執筆者:安孫子稔章】