ふほつがんかい/不発願戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第三五戒。仏弟子たる者は常にあらゆる願いを発し、父母・師僧・三宝に孝順をなそうとすべきであり、好師・同学・善友・知識が自分のために大乗の経律と十発趣・十長養・十金剛・十地とを教え、私を覚らせ、自分は如法に修行し、堅く仏戒を持ち、身命を捨てようとも、それが一瞬たりとも心から立ち去らないように、そのようにできるよう願うべきであるとする。もし誰であれ菩薩がそのように願わないならば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】